中小ベンチャー企業部は4月8日、中小製造業の競争力強化に向け、AIファクトリーの構築を新たな政策目標に据える方針を明らかにした。同部がこれまで進めてきたスマート工場政策を土台に、自律型工場への高度化を進める。あわせて、製造データの標準化と収集・普及体制を2030年までに整備する。
ハン・ソンスク長官は同日、ソウル・汝矣島の国会議員会館第2セミナー室で開かれた「フィジカルAIフロンティア強国 新技術朝食フォーラム」で、「中小製造企業の革新の答えはスマート工場だ」と述べたうえで、「これをAIベースの自律型工場へ高度化していく必要がある」と語った。
背景には、同部が進めてきたスマート工場導入の成果がある。ハン長官は、導入企業では不良率が45%低下し、生産性が54%向上した事例が出ていると説明。「生産性が高まれば売上高が増え、雇用拡大にもつながることを現場で確認した」と述べた。
パク・ヨンスン政策室長は、「自律化されたスマート工場、すなわちAIファクトリーの構築を新たな目標にする」と表明した。重点課題として製造データの標準化を挙げ、「フィジカルAIとスマート工場の間には明確な隔たりがある。その溝を埋める中核がデータ標準化だ」と強調した。
同部は、製造データの標準化を通じてAIエージェントの開発を進め、これをハードウェアに実装することでフィジカルAIへつなげる考えだ。2030年までに、製造データの標準化と収集・普及の仕組みを高度化し、中小企業に公開する計画としている。
支援策では、出資・融資・保証を一体で提供するパッケージ型支援へ転換する方針も示した。在職者向けのAI能力強化プログラムや、AI分野の研究人材育成にも取り組む。業種別ではフード、ファッション、ビューティー、地域別では産業団地や大企業と中小企業の協力会社など、類型ごとの支援体系も整備する。
あわせて、製造業、スタートアップ、小規模事業者を対象とするAI統合ブランド「AIプラス」も同日公開した。
フォーラムでは、製造データの標準化とグローバル競争力の確保が主要テーマとして取り上げられた。
NHN Cloudのチェ・ジェウォン理事は、「フィジカルAI時代には、むしろ中小企業が有利になり得る」と指摘。そのうえで、「AIエージェントの性能はデータアーキテクチャに左右される」として、データの公論化、標準化、国家資産化の必要性を訴えた。さらに「概念実証(PoC)の段階を脱し、量産を前提とした転換が必要な局面だ」と述べた。
グローバル企業向けサプライヤーが直面する現実的な課題も示された。メモリー向けプリント配線板(PCB)メーカーのSimmtechで常務を務めるキム・ミンホ氏は、「AppleやBroadcomなどのグローバル顧客は、スマートファクトリーに関する要求事項をそれぞれ200項目ずつ提示してくる」と説明。「大企業が中小・中堅の協力会社に求める内容を国家レベルで把握し、助言する役割が必要だ」と語った。
韓国人工知能産業協会のチョ・ジュニ会長は、「既存産業をAXで効率化するだけでは、国家競争力の向上には限界がある」と指摘。「AIを新たな輸出産業として育成する方向へ、政府課題の枠組みそのものを見直すべきだ」と訴えた。
フォーラムは、チョン・ドンヨン氏、チョン・ジヌク氏(いずれも共に民主党)、チェ・ヒョンドゥ氏、イ・チョルギュ氏(国民の力)が主催し、中小企業技術情報振興院(TIPA)、情報通信産業振興院(NIPA)、韓国産業技術企画評価院(KEIT)が主管した。Hyundai Motor、POSCO、HL Mando、Doosan Roboticsなどの大企業・中堅企業のほか、Dime Research、Seezleなどのスタートアップ、ソウル大学、韓国科学技術院(KAIST)、高麗大学などの学界関係者が参加した。