米国とイランの対立局面で、BitcoinとEthereumは金や主要株価指数を上回るパフォーマンスを示した。画像=Reve AI

米国とイランの対立が激化した3月、暗号資産が伝統資産を上回る値動きを見せた。Binance Researchによると、Bitcoin(BTC)とEthereum(ETH)は、金や銀に加え、主要株価指数を上回るリターンを記録した。地政学リスクが高まる局面でも、暗号資産が一部で伝統資産と異なる値動きを示した格好だ。

ブロックチェーンメディアのCryptopolitanが6日、Binance Researchの2026年4月版「Monthly Market Insights」を引用して報じた。それによると、中東で紛争が発生した後の騰落率は、Bitcoinが約1%高、Ethereumが約6%高だった。

これに対し、同期間のS&P500は8%下落し、半導体株指数のSOXXは12%下落した。安全資産とされる金と銀も、それぞれ13%安、22%安となった。

対立激化の局面では、BitcoinとEthereumの上昇幅が一時、それぞれ14%、22%まで拡大した。相場変動が大きい中でも、相対的な強さが目立った。

Binance Researchは、こうした回復力の背景として、24時間取引が可能な市場構造と機関投資家需要を挙げた。初期のリスクオフ局面では売りが先行したものの、その後は企業財務での保有拡大や現物ETF、オンチェーンの長期保有者を中心とした需要が流入し、相場は速やかに持ち直したとしている。

金と銀がそろって下落した点については異例だと指摘した上で、暗号資産が分散投資先として機能し得ることや、地政学的ストレス下での耐性が改めて浮き彫りになったと分析した。

また今回の局面は、暗号資産を「超国家的資産(supra-sovereign asset)」とみる見方を強めるきっかけになったとも指摘した。

地政学ショックの影響は商品市場にも広がった。今回の対立では、世界の原油取引の約20%に影響が及び、ブレント原油価格は約36%上昇した。不安心理を映す変動性指数(VIX)も35まで急伸した。

それでも、3月の暗号資産市場の時価総額は前月比1.8%増の2兆3900億ドルとなった。

同社は、相場を支えた要因として機関投資家資金の流れと保有構造の変化も挙げた。3月を「機関投資家による導入拡大の転機」と位置付け、2026年に入って初めて、現物ETFへの資金フローが約12億ドルの純流入に転じた点を強調した。

長期保有者(LTH)の保有増加も重なり、市場では中長期の買い集積が進んでいると分析した。これを、新たな上昇サイクルに向けた「市場リセットのシグナル」と位置付けている。

市場の主要テーマとしては、「AIエージェント経済」と「実物資産連動型資産(RWA)」を挙げた。EthereumベースのAIエージェント向けオンチェーンID標準「ERC-8004」は拡大が続いており、メインネット公開から2カ月で登録エージェント数は337から16万2000超へ急増した。

一方で、こうした増加が直ちに実質的な経済活動につながるかどうかは、なお検証が必要だとした。

RWA分野では、総資産規模が約271億ドルとなり、前月比4%増加した。政府債務関連資産には約20億ドルが流入し、成長をけん引した一方、商品分野と機関ファンド分野では約9億ドルの流出があった。

チェーン別では、BNB Chainの資産規模が約34億ドルと前月比35.8%増加した。この大半を米国債関連資産が占めたという。

Binance Researchは、地政学的な不確実性が続く中でも、暗号資産市場が伝統資産とは異なる値動きを示したと結論付けた。

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