米国のビットコイン現物ETF市場で、BlackRockが首位を固めている。規制下の商品を通じて機関投資家マネーの流入が本格化するなか、運用資産は大手運用会社に集中しつつある。そこに、Morgan Stanleyが低報酬で参入を打ち出し、市場構図の変化要因として浮上してきた。
ブロックチェーン専門メディアのBeInCryptoが6日に報じたところによると、2026年時点で約25社の資産運用会社が、ETFやトラスト、ファンドの形で暗号資産関連商品を提供している。ただ、運用資産の大半は上位5社に集まり、その規模は1000億ドルを超えるという。
市場の中心はビットコイン現物ETFだ。運用資産残高(AUM)は全体で860億ドルを上回った。
このうち、BlackRockの「iShares Bitcoin Trust(IBIT)」は約519億ドルを運用し、市場全体の約45%を占める。2026年1〜3月期の純流入額も84億ドルに達し、競合を大きく引き離した。
イーサリアム関連商品を含めると、BlackRockの暗号資産ETFの運用資産は600億ドルに迫る。
2位のFidelityは、「Wise Origin Bitcoin Fund(FBTC)」を軸に約128億ドルを運用している。自社カストディ基盤と0.25%前後の手数料水準を背景に、機関投資家の資金を取り込んでいる。1〜3月期の純流入額は41億ドルで、BlackRockに次ぐ水準だった。
市場初期を切り開いたGrayscaleは、「Bitcoin Trust(GBTC)」で存在感を保っている。ただ、過去の大規模流出の後は伸びが鈍化しており、低手数料商品の「Bitcoin Mini Trust(BTC)」で顧客流出の抑制を図る構図となっている。
GBTCの2026年1〜3月期の流出額は12億ドル。2024年に月次で数十億ドル規模の流出が続いた局面と比べると、流出ペースは鈍っている。
Bitwiseは商品ラインアップの拡充を武器にシェアを広げている。40本超の商品で150億ドル超を運用し、ソラナ現物ETFなどアルトコイン分野でも存在感を示した。
ソラナ・ステーキングETF「BSOL」は、取引開始から18日でAUM5億ドルに達した。
Galaxy DigitalはETF専業ではなく、資産管理と投資銀行業務を組み合わせたモデルで差別化を図っている。プラットフォーム資産は120億ドル規模まで拡大したが、収益の変動が大きい点はなお課題として残る。
発行体間の競争も激しさを増している。焦点の一つは手数料の引き下げで、市場では0.24%前後が一つの目安になるとの見方も出ている。
こうしたなか、市場の攪乱要因として注目されているのがMorgan Stanleyだ。同社はビットコイン現物ETF「MSBT」の修正S-1を提出し、手数料を0.14%と示した。BlackRockの0.25%を含む既存商品の水準を下回る。
Morgan Stanleyが抱える約8兆ドル規模の資産管理ネットワークを踏まえれば、市場への影響は小さくない。顧客資産の2%を配分するだけでも、1600億ドル規模の需要が生じる可能性があるとの見方も示された。
2026年の暗号資産市場は、少数の大手が主導するETF中心の構造へ急速に再編されつつある。BlackRockの独走に、手数料競争と機関投資家マネーの流入が重なり、ウォール街の主導権争いは一段と激しくなりそうだ。