Teslaの運転支援システム「Full Self-Driving(FSD)Supervised」を巡り、ハードウェア世代による実用面の差が広がっている。米CleanTechnicaは6日(現地時間)、長期使用レビューと試乗記を基に、HW3を搭載した旧型車とHW4を搭載した新型車の違いを比較した。
報道によると、2019年式のModel 3に乗るオーナーは当時、6000ドルを追加してFSDを購入した。導入当初のFSDは、高速道路でのランプからランプまでの走行支援や、先行車に応じた加減速、信号や停止標識での停止といった機能が中心だった。
その後、6年以上にわたるアップデートを経て、ナビゲーションに基づく市街地走行にも対応。目的地を設定すれば、一般道の走行から駐車場への進入までこなせる段階に進化した。操舵性能については、ユーザーから「自分で運転するよりも良い」との評価も出ているという。
一方、HW3で動作する最新バージョン「V12.6.4」には依然として限界がある。ガレージからの自動出庫・入庫に対応しきれないケースがあり、大型駐車場で空き区画を見つけて駐車する機能も期待ほどではなかった。
一部の交差点では誤った車線を選ぶ場面も確認された。スクールゾーンで適切に減速できないケースや、路面のくぼみへの対応不足など、安全性に関わる課題も指摘されている。
これに対し、2024年以降の新車に搭載されるHW4は、高い演算性能と高解像度カメラを備え、FSD V14をサポートする。試乗した筆者は、HW4搭載車について「出発から到着まで、多くの場面でほぼ全行程を自動でこなした」と評価した。
とりわけ、駐車場内での空き区画の探索や自動駐車、出庫機能は目に見えて改善したという。「Summon」による車両呼び出しも、安定性が増したとしている。
実際の試乗では、混雑した一般道から高速道路への合流も無理なくこなした。従来バージョンで誤りが目立った交差点でも、適切な車線を選ぶ様子が確認できたという。
目的地への到着後は、追加の操作を求められることなく、後退駐車まで完了した。ただし、狭いガレージでは自動入出庫の成功率が低く、一部のUI操作には直感性を欠く面もあると指摘した。
関心は今後、HW3車両向けに「V14ライト」が提供されるかどうかに移っている。一部では第2四半期中の対応観測もあるが、Teslaは現時点で公式見解を示していない。
筆者は、HW3にもなお十分な性能があるとして、ソフトウェアの改善余地に期待を示した。一方で、サポートが打ち切られれば、新車への買い替えを促す要因になり得るとの見方も示している。
今回の比較は、TeslaのFSDが単なるソフトウェア更新の積み重ねではなく、ハードウェア世代の違いが利用体験そのものを左右する段階に入ったことを示している。完全自動運転に近づくほど、出発時や駐車時といった「最後の区間」の完成度が競争力を左右するとの見方が強まりそうだ。