Metaが人工知能(AI)分野や上級技術職の採用で、高水準の基本給を提示している実態が、就労ビザ申請資料の分析で明らかになった。Business Insiderが6日(現地時間)、MetaのH-1Bを含む就労ビザ申請約5800件を分析したところ、ソフトウェアエンジニアの年間基本給は最大45万ドル(約6750万円)、AI担当エンジニアリング副社長では65万ドル(約9750万円)に達していた。
分析対象にはMeta本体のほか、WhatsAppや決済関連部門の職種も含まれていた。
職種別では、一部ポジションで特に高い水準が確認された。ソフトウェアエンジニアは最大45万ドル、リサーチエンジニアは40万ドル(約6000万円)だった。プロダクトマネジャーも34万8101ドル(約5222万円)に上っており、AIの専門人材や経験豊富な技術職に対して高い報酬水準を設定していることがうかがえる。
もっとも、高額な基本給は一部の人材に集中していた。全体では、新規採用の基本給の多くが15万~25万ドル(約2250万~3750万円)のレンジに分布していた。
一方で、AI関連や上位職はこれを上回る水準となった。例えば、AI担当エンジニアリング副社長(VP of Engineering, AI)の基本給は65万ドルと記載されていた。プロダクトデザイナーやUXリサーチャーでも、20万ドル(約3000万円)を超える例が目立った。
採用ポジションの内訳からも、Metaの重点領域は明確だ。米H-1Bプログラムを通じた採用のおよそ半数は、ソフトウェアエンジニアリング関連職が占めていた。
機械学習関連職では、給与レンジの幅も大きい。AIリサーチサイエンティストは16万3800~32万8000ドル(約2457万~4920万円)、機械学習エンジニアは16万5000~25万602ドル(約2475万~3759万円)、ソフトウェアエンジニア(機械学習)は14万4096~29万3118ドル(約2161万~4396万円)だった。
そのほか、プロダクションエンジニアは10万8098~31万7242ドル(約1621万~4759万円)、データサイエンティストは12万2760~29万5703ドル(約1841万~4436万円)だった。
今回の数値は総報酬ではなく、あくまでビザ申請書に記載された年間基本給だ。ストックオプションやサイニングボーナス、業績連動報酬などは含まれていない。
そのため、これらを含めた総報酬は基本給の2~3倍に達するケースもある。一部報道では、上級研究者に対し、総報酬ベースで1億ドル(約150億円)を超える条件が提示された可能性も報じられている。
一方、2025年第4四半期のMetaのH-1Bビザ申請件数は、前年同期比でおおむね半減した。2025年9月のトランプ政権による制度変更で、申請コストの増加や審査の厳格化が進んだことが背景とみられている。
Metaは採用方針を維持する一方、Reality Labsなど一部部門では足元で人員削減も進めたとされる。開示資料(10-K)によると、2025年末時点の従業員数は7万8865人だった。