Toyotaは、クロスカントリーSUV「ランドクルーザー250」のガソリン車を一部改良し、盗難防止機能と安全装備を強化した。高級SUVを狙った車両盗難が相次ぐなか、これまでオプションだった主要機能を標準装備に切り替えた。
ITmediaの報道によると、今回の改良では、車両アクセス時の認証強化と、コネクテッド機能を活用した盗難対策の拡充が柱となる。
まず、スマートキーの認証機能を強化した。キーの所持者が車両の近くにいない場合、電子キーによるドアの解錠やエンジン始動を制限する仕組みで、スマートキーの信号を増幅して解錠するリレーアタックへの対策とみられる。
あわせて、T-Connectを通じた遠隔対応機能も標準装備とした。オーナーはスマートフォンなどで車両の状態を確認でき、必要に応じてエンジン始動を遠隔で制御できる。なお、この機能の利用にはToyotaのコネクテッドサービス「T-Connect Standard(22)」への加入が必要となる。
安全装備も拡充した。交差点に進入する際、左右から接近する車両を検知して警告するフロントクロストラフィックアラートを標準装備とし、市街地での事故防止性能を高めた。このほか、運転支援機能全般にも改良を加え、走行時の安定性向上を図ったとしている。
背景には、日本国内で高級SUVを狙った盗難が急増していることがある。現地報道では、2025年上期の車両盗難件数でランドクルーザーシリーズの被害が最も多かったという。
手口としては、車両内部の通信ネットワークであるCAN(Controller Area Network)に不正にアクセスし、外部機器で車両を操作する「CANインベーダー」が大きな脅威として指摘されている。車外から電子信号を送り込み、解錠や始動を行えるため、既存のセキュリティを回避しかねない点が問題視されている。
Toyotaは、今回の改良をまずガソリン車に適用する。ディーゼル車については、2026年12月以降に対応を進める見通しだ。
コネクテッド化や電子制御の高度化が進むなか、車両セキュリティは商品競争力を左右する要素の一つとなっている。今回の対応をきっかけに、完成車メーカーの間で盗難対策機能の標準装備を広げる動きが強まる可能性もある。