写真=Reve AI/米・イラン停戦観測を受けて暗号資産市場は反発したが、原油高は引き続き警戒材料となっている

ビットコイン(BTC)は、米・イランの停戦観測を背景に買いが入り、一時7万ドルに迫った。暗号資産市場全体にも買いが広がった一方、停戦報道の不透明感に加え、原油高への警戒はなお残っている。

CoinDeskによると、ロイターが「米・イラン間の停戦計画が月曜日に発効する可能性がある」と報じた後、市場ではリスク選好が強まった。

買いは主要アルトコインにも波及した。CoinDesk20指数とXRPはそれぞれ約4%上昇し、イーサリアム(ETH)は5%超上昇。ソラナ(SOL)も3%前後上げるなど、主要銘柄がそろって堅調に推移した。

株式市場などでもリスクオンの動きがみられた。Nasdaq 100先物は0.8%上昇し、投資家心理の改善を示した。

デリバティブ市場の指標も相場を支えた。ビットコイン先物市場では強気シグナルが観測され、30日物のインプライド・ボラティリティ指数は低下基調を維持した。ボラティリティの低下は、短期的な投資家心理を下支えする材料と受け止められている。

もっとも、今回の上昇は停戦報道が事実として確認されるとの見方に大きく依存しており、不確定要因はなお大きい。停戦を巡る報道は匿名筋に基づくケースが多く、実際にイラン側が反論や否定を示した例もある。同様の展開が繰り返されれば、リスク選好に傾いた市場が急速に反転する可能性もある。

仮に停戦が成立したとしても、その持続性は見通せない。米・イランの停戦がイスラエルにも及ぶかは明確でなく、ドナルド・トランプ米大統領が先週末に「イランの民間インフラへの大規模打撃」に言及したことも、警戒材料として意識されている。

原油価格も重荷として再び意識されている。石油輸出国機構(OPEC)は5月の原油生産枠を日量20万6000バレル増やす方針を決めたが、市場ではエネルギー市場の緊張を和らげるには力不足との見方が出ている。Bloombergは、サウジアラビアが5月のアジア向けアラブライト価格を中東指標比で「過去最高のプレミアム」に引き上げたと報じており、世界的なインフレ圧力を高める要因として受け止められている。

一部の市場関係者は、原油急騰が危険水準に近づいているとも指摘する。原油の12カ月変化率は92%水準にあり、過去には同指標が100%に接近した局面で株式市場の急落が重なった例があった。コモディティアナリストのジャック・フランデルリ氏は「1987年以降の主要な市場崩壊では、ある一つのシグナルが先行していた」と説明した。

今回の反発は、中東情勢の緊張緩和への期待とデリバティブ市場の強気シグナルに支えられた。ただ、地政学リスクを巡る不透明感と原油高への警戒は残っており、これを上昇トレンド入りとみるにはなお早い。ビットコインを含むリスク資産は今後もニュースフローに左右されやすく、短期的な値動きの荒さが続く可能性がある。

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