イーロン・マスク氏とビットコイン 写真=Reve AI

イーロン・マスク氏が、量子コンピュータによるビットコイン(BTC)の暗号解読可能性を巡る議論に加わった。X(旧Twitter)では「ウォレットのパスワードを忘れても、将来はアクセスできるようになるだろう」と投稿し、関連論争に再び注目が集まっている。

ブロックチェーンメディアのCoinPostによると、今回の議論の発端は、Googleの量子計算研究がSNS上で改めて拡散されたことだった。ベンチャーキャピタリストの「Max the VC」はXへの投稿で、Googleがビットコインの暗号解読に必要な量子資源を従来推定より大幅に減らしたと要約。暗号資産アナリストのニック・カーター氏がこれを共有したことで、耐量子暗号(PQC)への移行を巡る議論も再浮上した。

注目されたのは、Googleが耐量子暗号への移行準備の目安を2029年として示した点だ。ただし、これは「2029年までに量子コンピュータが暗号を破る」という意味ではない。実際に脅威が現実化する前に、移行を終える必要があるとの考え方に基づくものとみられる。

Googleが公表したホワイトペーパーでは、50万未満の物理量子ビットでECC-256(楕円曲線暗号)を数分で解読できる可能性が示された。必要資源は従来見積もりの約20分の1に圧縮されたという。Googleは悪用リスクを考慮し、実際の攻撃回路は公開せず、結果のみをゼロ知識証明の手法で提示した。

暗号資産市場で警戒感が強いのは、現時点では解読できない暗号化データをいったん収集・保存し、量子コンピュータが実用化した後に復号する攻撃シナリオだ。マスク氏の「忘れたウォレットも将来は開ける」との発言は、こうした可能性を皮肉交じりに表現したものと受け止められている。

マスク氏はあわせて、自身が関与するAIチャットボット「Grok」の見解も共有した。それによると、ECC-256が解読可能になる時期は早ければ2028〜2029年、一般的な見通しでは2030年代初頭とされる。ただ、実際の脅威の顕在化時期は、量子コンピュータの開発ペースや商用化の水準によって変わる可能性がある。

マスク氏はXで「良い面を言えば、ウォレットのパスワードを忘れても将来はアクセス可能になる」と投稿した。

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