電力機器の供給不足でデータセンター建設に遅れが出ている。画像=ChatGPT

米ビッグテック各社がAI需要の拡大を見据えてデータセンター投資を加速する一方、変圧器や開閉器、バッテリーといった電力機器の供給不足が建設計画の重荷になっている。米国内の生産能力にも制約があるなか、韓国製変圧器が代替調達先として注目を集めている。

4月4日付の海外メディアの報道によると、Alphabet、Amazon、Meta、Microsoftの4社による2026年の投資額は計約6500億ドル(約9兆7500億円)に達する見通しだ。一方、Bloombergは、こうした大規模投資にもかかわらず米国内のデータセンター建設計画の多くが滞っており、2026年稼働予定の施設でも、実際に建設が進んでいる案件は3分の1未満にとどまると伝えた。

遅延の背景には、チップ不足に加え、変圧器や開閉器、バッテリーなど電力供給に欠かせない設備の調達難がある。AIデータセンターは一般的な施設に比べて消費電力が大きく、電力網の大幅な増強が必要になる。ただ、関連機器は電気自動車(EV)やヒートポンプなど他分野でも需要が急増しており、供給が生産能力に追いついていないという。

市場調査会社Sightline Climateの報告書では、高出力変圧器の納期が、従来の24〜30カ月から足元では最長5年にまで伸びているとされた。構築期間が18カ月未満とされるAIデータセンターにとって、こうした長納期は計画遂行の大きな制約になっている。

米国内の生産能力が限界に近づくなか、ビッグテック各社は韓国など海外サプライヤーへの依存を強めつつある。Wood Mackenzieなどの分析では、韓国はカナダ、メキシコと並び、米国のAIデータセンター向け高出力変圧器の主要供給国として存在感を高めている。米中対立や安全保障上の懸念を背景に中国製機器への警戒感が強まるなか、韓国は技術力と信頼性を備えた有力な代替調達先とみられている。

米国は現在、バッテリー輸入の40%超、特定の変圧器および開閉器カテゴリーの約30%を中国に依存している。製造拠点の海外移転が数十年にわたって進んだことで国内生産力は低下し、関税問題や安全保障リスクを抱えながらも、中国依存を十分に下げられていない。このため、韓国の電力機器メーカーの供給能力が、米国のAIインフラ整備を左右する要因として浮上している。

地政学リスクもなお不透明要因として残る。2025年10月のドナルド・トランプ米大統領と習近平中国国家主席の首脳会談後、両国関係はやや落ち着きを見せたものの、今後の関係変化でサプライチェーンが再び混乱すれば、データセンター建設はさらに遅れる可能性がある。電力インフラのサプライチェーンは一部品の不足でもプロジェクト全体が止まりかねず、AIの受容能力を左右する要素として、資本力や計算機ハードウェア以上に電力設備の確保が重みを増している。

一方、IBMの最高経営責任者(CEO)、アービンド・クリシュナ氏は、巨額投資が続くAIデータセンター事業について、現時点では利益確保がほぼ不可能だと警鐘を鳴らした。市場の過熱と収益性悪化への懸念も示している。

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