金融当局は、暗号資産取引所に対し、利用者資産の残高を5分ごとに照合するシステムの導入を義務付ける。Bithumbで発生した誤送金を受けた再発防止策の一環で、内部統制も金融会社並みの水準へ引き上げ、市場の信頼回復を急ぐ。
金融委員会は4月6日、政府ソウル庁舎でシン・ジンチャン事務処長主宰の懇談会を開いたと発表した。会合には5つの暗号資産取引所の代表と、業界団体のデジタル資産取引所共同協議体(DAXA)などが出席した。
シン事務処長は冒頭、「緊急対応班の点検の結果、誤送金の表面上の原因である人的ミスにとどまらず、取引所に積み重なった構造的な問題も確認された」と述べた。そのうえで、「利用者約1100万人分、約70兆ウォンの暗号資産を預かるだけに、取引所の抜本改革は避けられない」と強調した。
緊急対応班は2月10日から3月6日まで、現地点検や書面調査を通じて、利用者資産の保管状況や内部統制体制を点検した。
その結果、多くの取引所で残高照合が1日1回にとどまり、不一致が発生しても即応しにくい実態が浮かんだ。手作業を伴う高リスク取引の処理過程でも、口座の分別管理など統制措置が不十分だった。
業界の自主規制として標準的な内部統制基準は整備されていたものの、コンプライアンス監視の対象範囲が限定的だったり、点検漏れがあったりするなど、運用面の不備も確認された。
金融当局は今後、すべての取引所に5分ごとの常時残高照合システムの構築を義務付ける。照合の結果、大規模な不一致が生じた場合に取引を自動停止する基準も明確にする。外部監査法人による実査は、現在の四半期ごとから毎月へと頻度を引き上げ、開示範囲も広げる。
高リスク取引については、取引類型ごとの口座分別を進めるほか、有効性を確認するシステムを整備し、事故防止基準を設ける。担当者による送金入力時には第三者による相互確認を義務付け、送金額に応じた多重承認体制の構築も促す。
内部統制体制も金融会社並みへと強化する。金融当局は「標準コンプライアンス監視プログラム」を策定し、内部統制基準違反の点検実効性を高める。点検頻度は年1回から半年ごとに見直し、金融当局への報告も求める方針だ。
金融当局とDAXAは4月中に自主規制の制定を終え、5月までに常時残高照合に向けた電算システムの構築を完了する計画としている。
金融監督院は、Bithumbに対する検査結果を基に、暗号資産利用者保護法違反の有無を精査したうえで、制裁手続に入る方針だ。