写真=デジタルトゥデイ。Befpleのイ・チャンソン代表(右)とチョン・オジョン共同代表

エンターテックスタートアップのBefpleは、俳優やモデルなどのエンターテイナーとキャスティング担当者、ファンをつなぐプラットフォーム「CASTIC」を1月に公開した。紙中心で進んできたキャスティング業務をデジタル化し、応募管理から合否連絡、オーディション日程の調整までを一括で処理できるようにする。AI機能や審査体制も組み合わせ、グローバル展開を目指す。

イ・チャンソン氏とチョン・オジョン氏の両共同代表はデジタルトゥデイの取材に対し、CASTICを通じて従来のアナログなキャスティングの仕組みを変えていく考えを示した。イ氏は「所属事務所の有無にかかわらず、良いオーディションの機会は誰にでも開かれるべきだ」と話した。

Befpleによると、キャスティング市場はいまも紙のプロフィールに依存する場面が多い。イ氏は、こうした非効率な慣行が残っているだけでなく、キャスティング担当者の立場が不透明なまま運用されるケースもあるとして、実力以外の要素が入り込みやすい構造を変えたいと語った。

CASTICの中核は、キャスティング工程の自動化にある。チョン氏は、既存の関連サービスの多くは募集告知までにとどまり、その後の実務は関係者に委ねられていると説明した。そのうえで、実際に時間がかかるのは応募者の管理や合否連絡、日程調整など募集後の工程だと指摘する。CASTICでは、これらの業務を一括で処理できるようにした。メールやSMSの自動送信に加え、応募者自身が書類の閲覧状況を確認できる機能も備える。

同社は利便性向上に向け、AI機能の開発も進めている。1つはプロフィール作成機能だ。既存のPDF形式のプロフィールをアップロードすると、OCRで氏名や経歴、身体情報を抽出し、プラットフォームの入力フォームに自動反映する。チョン氏は「エンターテイナーは数十件から数百件に及ぶ経歴情報を入力しなければならない」とし、このAI入力機能の利用率は90%を超えていると説明した。

もう1つは、自然言語ベースの候補者マッチング機能だ。身長、体重、年齢といった定量条件だけでなく、募集する役柄の説明文を分析し、応募者の出演作のジャンルや役柄と照合する。さらに、ファン指標も適合度の判断に反映するという。

Befpleは、デジタルキャスティングに伴うリスクへの対応として、安全性の確保にも力を入れている。キャスティング担当者として登録する際には48時間の承認プロセスを設け、なりすましや不正利用の可能性を事前に抑える。イ氏は、実際に資格を備えた企業かどうかをプラットフォーム側で確認すると説明した。

導入事例も出始めている。チョン氏によると、ある大手芸能事務所は新人グループのグローバルメンバー募集にCASTICを採用した。自社サイトで募集するのではなく、CASTIC上でのみ告知を行い、同サービス経由で応募を受け付けているという。

Befpleが有望市場として注目するのは、ウェブドラマとショートフォームの領域だ。イ氏は、従来型の制作会社が年1〜2作品を手がけるのに対し、ウェブドラマの企画会社は年間80〜120本を制作するケースもあると説明。そのうえで、ショートフォームのバーティカルドラマ市場がエンターテインメントの次の成長領域になるとの見方を示した。チョン氏は、国内のエンターテイナーが海外に進出し、海外のエンターテイナーがKコンテンツに参加する流れを支える橋渡し役になりたいと語った。

収益モデルはマーケティングを軸に据える。バナー広告に加え、キャスティング告知やエンターテイナー情報の上位表示を収益源とする。エンターテイナーの基本利用は無料で、今後はファン支援機能の導入も予定している。登録エンターテイナーは6000〜7000人、キャスティング告知は約100件としている。

イ氏は、3カ月以内にユーザー5万人の確保を目標に掲げた。まず韓国でPoCを進め、その後は米国市場への進出も計画する。イ氏は「米国のBackstageは米国市場、韓国のFilmmakersは韓国市場が中心だ」としたうえで、最初からグローバルなオーディエンスを前提にしたシステムの構築を目指すと述べた。

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