Bitcoin(BTC)とドル連動ステーブルコインの普及は、米ドル需要の拡大を促す「共生関係」にある――。ブロックチェーンメディアCointelegraphが4月5日に報じたところによると、Bitcoin Policy Institute(BPI)のリサーチ責任者、サム・ライマン氏は、BTC/USD建て取引の広がりが米国の金融システムに利益をもたらしているとの見方を示した。
ライマン氏は、Bitcoinが米国にとって有益な理由として、最大の取引ペアがBTC/USDである点を挙げた。実際の市場では、Tetherのドル連動ステーブルコイン「USDT」が主要な役割を担っているとも指摘した。
USDTは現金同等物や短期米国債を裏付け資産として発行される。このため、Bitcoin取引が増えるほど、ドル需要とドル建て流動性も膨らむというのが同氏の見立てだ。
同氏はこの構図を、1970年代初頭に形成された「ペトロダラー」体制になぞらえた。国際原油取引がドル建てで行われることでドル需要が高まったのと同様に、暗号資産市場でもドル連動ステーブルコインとBTC/USD建て取引の慣行が、ドルのネットワーク効果を強めるとした。
その上で、ステーブルコイン規制は単なる金融政策の問題ではなく、地政学上の競争力にも直結すると主張した。米議会に対しては、GENIUS法案の基本原則を崩さず、制度設計を発展させるべきだと訴えた。
ドル連動ステーブルコインを巡る規制の枠組みを整備し保護することが、ドルの影響力維持にもつながるという考えだ。
一方で、中国の対応はこれと対照的だと指摘した。中国がBitcoinやステーブルコインを繰り返し禁止してきた背景には資本規制があり、こうした資産が国境をまたぐ資金移動を容易にし、政府の統制力を弱めかねないためだと説明した。
実際、中国はステーブルコインを制限する一方で、中央銀行デジタル通貨(CBDC)であるデジタル人民元の普及を進め、資金フローに対する統制力の強化を図っているという。
ただ、規制を強めても、許可を受けない暗号資産活動を完全に封じ込めるには至っていないとの分析もある。ライマン氏は、Bitcoinのマイニングやステーブルコインを介した資金移動は今も続いているとし、中国関連のマイニングプールが世界のハッシュレートでなお高い比率を占めるとする資料もあると述べた。