ビットコインと金のパフォーマンスを巡る論争が再燃している。Strategyのマイケル・セイラー氏は、ピーター・シフ氏が「ビットコインは過去5年で金や主要株価指数に劣後した」と主張したことに対し、比較する期間の取り方によって結論は大きく変わると反論した。BeInCryptoが今月5日、報じた。
今回の対立の焦点は、リターンを算出する際の起点にある。シフ氏は、過去5年間のビットコインの上昇率は約12%にとどまった一方、NASDAQ、S&P500、金、銀はそれぞれ50〜180%台上昇したと主張した。
シフ氏は、「ビットコインの魅力が優れた長期パフォーマンスにあるというなら、なぜ誰もが保有し続ける必要があるのか」と述べ、ビットコイン投資の論理を批判した。
これに対し、シフ氏が切り取った5年の起点は、ビットコインが高値圏にあった時期に近いとの見方も出ている。2022年の暗号資産市場の急落と、その後の回復局面を含むため、どの時点を基準にするかで見え方が大きく変わるというわけだ。
同じ期間について、金価格は約1780ドルから4700ドル超に上昇し、上昇率は160%を超えたともされた。
シフ氏はまた、Strategy株(MSTR)の値動きとビットコイン自体の成績は分けて評価すべきだと主張した。MSTRがこの5年で約68%上昇した点には触れつつも、それは投資家の期待が過度に織り込まれた結果であり、ビットコインそのもののパフォーマンスとは別問題だとした。
その上で、「投資家がMSTRに割高な評価を与えたからこそ、セイラー氏はビットコインを積極的に買い続けることができた」と述べ、「MSTR株は崩れる前に売るべきだ」と警告した。
これに対しセイラー氏は、年率ベースのリターンと、より長い保有期間を示して反論した。Strategyがビットコインを軸とする財務戦略を始めた2020年8月を起点にすれば、ビットコインの年率リターンは約36%になると主張した。
同期間の金は16%、NASDAQ100は15%、S&P500は14%、不動産は5%、債券はマイナス1%だったとして、比較期間の設定次第で結論はまったく異なると強調した。
Strategyの積極的なビットコイン買い増しも論点の一つだ。同社は現在、約76万2099BTCを保有し、平均取得単価は約7万5699ドルとされる。足元の相場水準は、この平均取得単価を下回っているという。
両氏の対立は今回が初めてではない。シフ氏はこれまでもStrategyの事業モデルを厳しく批判してきた一方、セイラー氏はビットコインを「デジタルゴールド」と位置付け、長期保有資産としての価値を訴えてきた。
2025年末には、ドバイで開かれた「Binance Blockchain Week」で公開討論の提案も交わされたが、実現には至らなかった。
今回の応酬は、同じ資産でもどの期間を切り取るかで評価が大きく変わることを改めて浮き彫りにした。資産の優劣を論じるうえで、比較期間の設定が投資判断に与える影響の大きさがあらためて意識されている。