金価格は3月23日の安値から17%反発したが、市場ではなお強気トレンド入りを断定するには早いとの見方が出ている。原油との相関が完全には崩れておらず、デリバティブ市場でも買いは優勢ながら建玉の減少が目立つためだ。むしろ、いったん調整を挟む方が中期的な上昇基盤を固めやすいとの分析もある。
ブロックチェーンメディアのBeInCryptoは4月3日、今回の上昇について、原油との相関がなお残る中で進んだ反発だと指摘した。追加上昇を急ぐよりも、いったん調整を経た方が相場の土台は強まりやすいとみている。
金価格は3月23日の安値である1オンス=4105ドルから反発し、4月3日には4676ドル近辺まで上昇した。
XAU-WTI相関マトリクスによると、金スポットと米国産原油WTIの50期間相関係数は足元でマイナス0.10だった。3月のプラス圏からは低下したものの、明確な逆相関には至っていない。昨年10月中旬から11月初旬にかけて相関係数がマイナス0.88前後の強いマイナス圏で推移した局面では、金価格は最も力強い上昇を示した。一方、1月末の0.85や3月初旬のようにプラス圏で高水準だった局面では、それぞれ調整が続いた。
オプション市場でも、足元は反発に追随する動きが強い。SPDR Gold Shares ETF(GLD)のプット・コール出来高比率は、3月26日の1.35から4月2日には0.70へ低下した。一方、未決済建玉比率は0.53から0.56へ上昇した。下落ヘッジ目的のプットが減少する一方、上昇を見込むポジションが増えた格好だ。
米商品先物取引委員会(CFTC)の3月24日付COT報告書でも、非商業部門のネットロング拡大が示された。投機筋のロングは4900枚増の22万861枚、ショートは3558枚減の5万2534枚だった。ただ、未決済建玉全体は前週比7463枚減の40万3925枚に縮小した。ロングが増えた一方で建玉全体が減っており、今回の反発にはショートカバーの影響が大きかったことをうかがわせる。
テクニカル面では、8時間足ベースで4802ドルを終値で上回れるかが、追加上昇の条件として挙げられている。上値の抵抗線は5043ドルで、その上は3月1日の高値である5422ドルが意識される。下値では4490ドルが最初の支持線となり、4297ドルと4141ドルが次の支持帯となる。4105ドルは今回の反発の起点だ。
このため市場では、足元の戻りは確認されたものの、原油との相関やデリバティブ市場の需給を踏まえると、トレンドとしての強気を判断するにはなお材料不足との見方が出ている。とりわけ、原油との逆相関が明確にならないまま上昇した点は、今回の反発が構造的な強さというより、短期的な需給要因に支えられている可能性を示している。
市場では、いったん一服する場面があった方が、中期的な上昇の持続性はかえって高まりやすいとの見方もある。4802ドルの上抜けが次の分岐点とされる中、下値支持線を試す過程で買いの強さが改めて確認されれば、その後の上昇局面はより安定したものになるとの分析だ。