コスト上昇の影響は全製品群に及ぶが、影響の大きさには差がある(写真=Reve AI)

メモリ価格の急騰を受け、スマートフォンの販売価格に再び上昇圧力が強まっている。Counterpoint Researchは、製造コストの上昇が販売価格に転嫁されれば、2026年には価格が25%超上がる可能性があると分析した。世界のスマートフォン出荷量も同年に前年比約12%減少するとの見通しを示している。

米ITメディアのPhoneArenaは4月3日(現地時間)、Counterpoint Researchの報告書を引用し、メモリ価格の上昇がスマートフォン各社の原価構造を大きく揺さぶっていると報じた。

報告書が最大の変動要因に挙げたのはメモリだ。分析によると、2025年に入ってから数カ月でメモリ価格は約50%上昇した。さらに2026年1~3月期にも追加で50%上がる見通しで、6月末までにさらに20%上乗せされるシナリオも取り上げられている。こうした上昇が続けば、スマートフォンメーカーのコスト構造そのものが変わりかねないという。

Counterpointは、卸売価格が約800ドルの比較的手ごろなフラッグシップ機を例に、メモリ費用が部品原価(BoM)の約40%を占める可能性があると説明した。これは1年前の約3倍の水準に当たる。その結果、2026年半ばにはプレミアムスマートフォン1台当たりの製造コストが、2025年初めに比べて150ドル以上増える可能性があるとしている。

こうしたコスト増は、最終的に販売価格へ転嫁される可能性が高い。報告書は、メーカーが店頭価格を200ドル以上、率にして25%超引き上げる可能性があるとみている。とりわけ700~999ドルの高コストパフォーマンスを訴求するフラッグシップ帯は、2025年に前年比25%の販売増を記録した伸びの大きい市場だが、価格が再び25~30%上昇した場合でも需要を維持できるかが焦点になるとした。

実際、値上げの動きは一部製品に既に表れている。Samsung Electronicsは2月にGalaxy S26シリーズを公開し、最上位モデルの価格は据え置いた一方、ベースモデルとプラスモデルをそれぞれ100ドル値上げした。業界では、主要メーカーが段階的な価格調整に入った兆候と受け止められている。

価格が上がるほど、メーカーには値上げを正当化できるだけの製品力が求められる。報告書は、最新チップセットの搭載やカメラ性能の向上、バッテリー効率の改善など、消費者が実感できる進化が不可欠になっていると指摘した。値上げだけでは需要を維持しにくいためだ。

一方、メモリ価格の上昇が続けば、2026年の世界スマートフォン出荷量は前年比約12%減少する可能性があるという。実現すれば単年では過去最大の減少幅となる可能性がある。とりわけ部品コストの負担が重い低価格帯ほど打撃が大きく、市場全体の需要構造にも変化が避けられないとみられている。

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