電気自動車(EV)は、内燃機関車に比べて中古車としての値落ちが大きいことが分かった。米自動車市場調査会社iSeeCarsの調査を引用したEV専門メディアInsideEVsが4月3日(現地時間)報じた。
それによると、5年落ちEVの平均減価率は57.2%で、全車平均の41.8%を大きく上回った。一方、ハイブリッド車は35.4%と最も低く、EVよりも値下がりが小さかった。
車種別でもEVの下落幅は目立つ。値落ちの大きい上位10車種のうち5車種をEVが占めた一方、減価率の低い25モデルには1車種も入らなかった。
個別モデルでは、Volkswagen ID.4の初期モデルが5年で平均62.1%、Nissan Leafが63.1%の減価率を記録した。特に2021年型Leafは航続距離が約149マイル(約239キロ)にとどまるうえ、一部の急速充電設備と互換性のない充電規格を採用していたことが、中古車市場で不利に働いたとみられる。さらに、米国の7500ドルの連邦税額控除が新車価格を押し下げ、中古価格の下落圧力を強めたとの見方も示された。
ただ、減価率の高さがそのまま需要の弱さを意味するわけではない。InsideEVsは「消費者が中古EVを求めていないという意味ではない」としたうえで、技術進化の速いEVでは5年前のモデルが相対的に早く旧型化しやすいことが、減価拡大の主因だと指摘した。
同メディアは、Hyundai Ioniq 5、Tesla Model Y、Ford Mustang Mach-Eなどを例に挙げ、発売後も商品性の改善や値下げ、新グレードの追加が続いたことで、既存年式車の残存価値が押し下げられたと分析している。
一方、報告書はハイブリッド車を対照例として取り上げた。iSeeCarsによると、ハイブリッド車の減価率は2019年に56.7%まで上昇し、現在のEVと大きく変わらない水準だった。その後は市場の安定化と消費者の利用経験の蓄積を背景に、現在では最も値落ちしにくいパワートレインとして定着したという。
InsideEVsは、EVもこうした初期技術に共通する流れをたどる可能性があるとみている。普及初期には信頼性への不安や急速な技術進化で値落ちが大きくなりやすいものの、市場が成熟すれば下落幅は徐々に縮小する可能性があるとした。