画像=Fujitsu。設計書の自動生成に加え、今後はコード再構築や運用・保守支援にも機能の対象を広げる方針

Fujitsuは、COBOLを含むレガシーコードを解析し、設計書を自動生成する生成AIサービス「Fujitsu Application Transform」を発表した。コード理解と文書化にかかる作業を大幅に減らし、レガシーシステムのモダナイゼーションを後押しする狙いだ。

4月4日付の海外ITメディアTechRadarによると、従来は手作業で数時間を要していたコードの理解と文書化を、分単位まで短縮することを目指す。基盤には、同社の生成AIブランド「Fujitsu Kozuchi」を採用した。

Fujitsuは、専門知識がなくても設計書を自動生成できる点を訴求する。属人的になりがちなレガシーシステムの保守・改修業務において、特定の熟練人材への依存を減らすことを見込む。

同社によれば、複雑なレガシーコードの理解プロセスを自動化することで、関連作業の工数を約97%削減できるという。単なるコード要約ではなく、既存システムの仕様をより明確に把握し、モダナイゼーション計画の立案や実行に生かせる実務向けツールとして位置付ける。

設計書の品質向上も特徴の1つだ。Fujitsuは、汎用的な生成AIツールだけで解析した場合に比べ、自社サービスのほうが文書品質を高められるとしている。大規模なソースコードを知識グラフで関連付け、必要な情報を横断的に参照できるようにすることで、情報の欠落やハルシネーションの抑制を図る。これにより、設計書の網羅性は95%、可読性は60%向上したと説明している。

こうした機能は、とりわけCOBOL資産の多い現場で重要になる。Fujitsuは、COBOLについて1959年にグレース・ホッパー博士が設計に関わった言語で、世界で約8500億行のコードが存在すると紹介した。古い言語でありながら、銀行や保険会社、政府機関の基幹取引システムでは現在も広く使われている。パンデミック時には、米国でCOBOL技術者の不足が懸念されたこともあった。

利用企業として、SMBC日興証券の執行役員であるホリウチ・トシヒロ氏のコメントも紹介した。同氏は「今回の発表を、レガシーシステムのモダナイゼーションを現実的に前進させる取り組みと受け止めている。技術の潜在力を認識した」と述べた。

Fujitsuは今後、設計書の自動生成にとどまらず、導入支援サービスも提供する方針だ。2026年には、既存ソースコードを将来利用を見据えて再構築する機能の投入も計画している。コードの自動書き換えに加え、その後の運用・保守まで支援する方向を示した。

TechRadarは、COBOLベースのメインフレームやエンタープライズシステムの主要サプライヤーとされるIBMについて、自動化されたレガシーモダナイゼーションの流れが強まれば、戦略の見直しを迫られる可能性があると指摘した。

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