ビットコインが、米連邦準備制度理事会(FRB)などの金融政策を後追いするのではなく、先取りして織り込む動きを強めているとの見方が出ている。CoinDeskは4月5日(現地時間)、Binance Researchのリポートを引用し、その背景として現物ビットコイン上場投資信託(ETF)の導入を挙げた。
リポートによると、ビットコインと金融緩和局面を示す指標の関係は足元で明確に変化した。Binance Researchは、41の中央銀行の政策スタンスを追跡する「グローバル緩和幅指数」とビットコイン価格の相関が、2024年以降は「強い負の相関」に転じたと指摘。米証券取引委員会(SEC)が2024年1月に現物ビットコインETFを承認した後に起きた変化だとしている。
ETF導入前は、ビットコインが世界的な緩和サイクルを数カ月遅れで追随する、緩やかな正の相関が観測されていた。これに対し現在は逆方向への反応が以前より強まっており、リポートは従来の連動関係が反転しつつある可能性を示した。
Binance Researchは、この転換の主因として価格形成の主役の変化を挙げた。これまでは個人投資家の比重が高く、マクロ経済指標や金利シグナルに機敏に反応する傾向が強かった。一方、現物ETFの導入で機関投資家の影響力が拡大し、政策変更に先立って数カ月前からポジションを積み上げる形でビットコインを組み入れる動きが広がったという。
Binance Researchは、「その結果、ビットコインはマクロ経済を後追いする資産から、先行して価格に織り込む資産へと変化した可能性がある」と説明した。さらに、「金融緩和のピークは、ビットコイン市場ではすでに織り込み済みとなっている可能性がある。今後は緩和の方向性そのものよりも、政策進展や機関投資家の資金フローといった暗号資産市場固有の要因の重要性が高まる」と付け加えた。
このリポートは、原油高や中東戦争を巡る地政学リスクを背景に、スタグフレーション懸念が再浮上する中で公表された。金利見通しも利下げから利上げの可能性まで大きく揺れているが、Binance Researchは、こうした金利反応が過度に解釈される可能性があるとみている。
過去にも、インフレ急騰の後に中央銀行が最終的に成長支援へ軸足を移した例があるとし、同様の流れが再現されれば、ビットコインは市場予想より早く、いわゆる「政策ピボット」を価格に反映する可能性があるとの見方を示した。