ビットコイン(BTC)は週末を通じて6万7100ドル近辺でもみ合った。一方で、投資家心理はイラン紛争の開始以来、最も弱い水準に落ち込んでいる。
CoinDeskが5日(現地時間)に報じたところによると、ビットコイン価格は紛争が始まった2月28日以降、おおむね5%程度のレンジ内で推移している。ただ、各種センチメント指標は急速に悪化している。
オンチェーンとソーシャル分析を手がけるSantimentのデータでは、ビットコインに関するSNS上の反応は、弱気が5に対して強気が4となった。過去5週間で最もネガティブな偏りという。
同様の偏りがみられた直近の局面は、「Operation Epic Fury」開始当日だった。このときビットコインは、今回の紛争局面で初めて6万5000ドルを割り込んだ。
Fear and Greed Index(恐怖・貪欲指数)も9まで低下し、「極端な恐怖」の領域にとどまった。指数は1カ月超にわたり8〜14の範囲で推移しており、一桁台が続いている。
CoinDeskは、2022年のLUNA崩壊やFTX破綻の際には、1日で20〜30%下落するような投げ売り局面で同水準が観測されたと指摘した。今回はそうした価格急落を伴わないまま、投資家心理だけが大きく冷え込んでいる点が異例だという。実際、価格は6万5000〜7万3000ドルのレンジで横ばいが続いている。
同メディアは今回の相場について、「重要なのは、投資家心理と価格が完全に異なるシグナルを発している点だ」と分析した。戦争関連のヘッドラインやトランプ氏の発言、約4億300万ドル規模の清算、さらにオンチェーン需要指標が数年ぶりの弱さと評価される状況が重なったにもかかわらず、相場は明確な方向感を示していないと説明した。
価格が大きく崩れていない背景としては、機関投資家マネーの流入が挙げられている。ETFは3月だけで約5万BTCを吸収し、2025年10月以降で最も速い月間ペースとなった。
Strategyは4万4000BTCを追加購入した。Morgan Stanleyは、手数料14bp(0.14%)のビットコインETFの承認を受け、1万6000人のアドバイザーと6兆2000億ドル(約930兆円)の運用資産を抱える販売チャネルを開いた。CoinDeskは「機関投資家の買いは実在しており、相場の下支えになっている」と評価した。
もっとも、相場反転にはなおハードルがあることも示された。CoinDeskの分析によると、30日ベースの見かけの需要(apparent demand)はマイナス6万3000BTCで、機関投資家の買いを市場全体の売りが上回っていることを意味する。
また、1000〜1万BTCを保有するクジラのアドレスは、1年前には20万BTCの純買い越しだったが、足元では18万8000BTCの純売り越しに転じた。CoinDeskはこれを「過去でも最も強い分配局面の一つ」と位置付けた。
例年は強気に傾きやすい4月の季節性も、今回は相場の流れを変える材料になっていない。CoinDeskは、戦況、マイナス圏のCoinbaseプレミアム、クジラの分配、恐怖指数の一桁台定着が重なっており、季節性だけで相場の方向を判断するのは難しいと付け加えた。