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ビットコインが7万2000ドルまで持ち直した場合、先物市場で積み上がったショートポジション約25億ドル(約3750億円)が清算される可能性がある。原油高やリスクオフの地合いを背景に売り持ちが膨らむ一方、地政学リスクの後退やビットコイン現物ETFへの資金流入再開が重なれば、ショートスクイーズが起きるとの見方が出ている。

Cointelegraphが4日(現地時間)、オンチェーン分析企業Coinglassのデータとして伝えたところによると、ビットコインが足元の6万7100ドルから約7.5%上昇し、7万2000ドルに達した場合、ビットコイン先物のショート約25億ドルが清算水準に入る見通しだ。一定の価格帯を上抜けたことでショートの買い戻しが連鎖すれば、上昇が加速する可能性もある。

ショートが積み上がる背景としてまず意識されているのが、原油価格の急騰だ。米国とイランを巡る軍事的緊張の余波で原油は2022年6月以来の高水準まで上昇し、リスク資産全般の重荷になったとみられている。2月末の開戦以降、原油は70%超上昇しており、物流コストの上昇や消費余力の低下につながる点も懸念材料とされている。

個別銘柄の売り材料も重なった。ビットコイン採掘企業MARA Holdingsは3月26日、1万5133BTCを売却したと発表した。市場では、これが追加の売り圧力になり得るとの見方が出ている。同社は、人工知能(AI)コンピューティングへのシフトと負債削減を目的に、ビットコイン保有を圧縮したと説明している。

マクロ環境の悪化もショート優勢につながった。S&P500種株価指数は1月28日に7000ポイント近辺で高値を付けた後、3月30日までに10%下落した。インフレの長期化で中央銀行の利下げ余地が限られ、景気後退懸念が強まったとの受け止めだ。市場では、米連邦準備制度理事会(FRB)が9月まで政策金利を据え置く確率を89%、4%へ引き上げる確率を5%織り込んでいるとの見方も示された。

デリバティブ市場では、無期限先物の資金調達率(ファンディングレート)がマイナス圏に沈んでいる点も目立つ。通常、中立的な市場ではロング側がコストを負担するケースが多く、ファンディングレートは5〜10%の範囲で推移しやすい。これに対し、マイナスはレバレッジをかけたロング需要の弱さと、ショート偏重の強まりを示唆する。

一方で、相場反発のきっかけとしては停戦と現物ETFへの資金流入再開が挙げられている。戦況の先行きは不透明だが、停戦合意が成立すれば投資家心理が急速に改善し、ショート勢の買い戻しを誘う可能性がある。

ETFを巡っては、ビットコインが3月16日までの5日間で6万9150ドルから7万4900ドルへ上昇した局面が例として示された。この時期、米上場のビットコイン現物ETFには2週間で15億ドル(約2250億円)の純流入があった。こうした資金流入が再開すれば、7万2000ドルの回復も視野に入るとの見方だ。

もっとも、地政学リスクを巡る不透明感は残る。CNBCによると、ドナルド・トランプ米大統領は2027年予算案を巡り、国防支出を1兆5000億ドル(約225兆円)へ増やすよう議会に求めた。ホワイトハウスの非公開イベントでは「我々は戦争をしている。子どもの保育に気を配っていられない」と述べたという。

その一方で、ビットコインは2025年10月に付けた過去最高値(ATH)を47%下回る水準で推移している。景気減速や市場ストレスが一段と強まった場合には、代替的なヘッジ先として資金が向かう可能性も指摘されている。

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