Strategyのマイケル・セイラー氏は、Bitcoin市場が機関資金主導の局面に入りつつあるとの見方を示し、従来の「半減期サイクル論」はもはや有効ではないと主張した。最大のリスクについても、規制や外部からの攻撃ではなく、コミュニティ内部の誤ったプロトコル変更にあると警鐘を鳴らした。
ブロックチェーンメディアのCryptopolitanは5日付で報じた。セイラー氏は、Bitcoinが「デジタル資本」として受け入れられる段階に入ったと分析。市場の関心も、Bitcoinが生き残れるかどうかから、今後どのように変化していくかへ移っていると述べた。大手金融機関や資産運用会社、銀行の参入によって、市場構造そのものが変わり始めているという。
同氏は、こうした変化によってBitcoinの「4年サイクル論」は勢いを失っていると指摘した。これまでは半減期による新規供給の減少が価格を押し上げる主要因とみなされてきたが、足元では市場への資金流入・流出の規模が価格形成を左右する比重を強めているという。機関資金は、金利やインフレ、世界的な流動性などのマクロ要因に応じて動くとも説明した。
機関投資家の参入は、Bitcoinへのアクセスを広げる要因にもなった。規制下の金融商品やカストディサービス、各種金融プラットフォームを通じて、大口投資家がBitcoinに投資しやすくなっているためだ。その一方で、Bitcoinの成長経路は個人主導の需要よりも、銀行システムや信用市場、グローバルな投資戦略との結び付きが強まっているとした。今後は銀行信用とデジタル金融インフラが、Bitcoinの普及拡大に重要な役割を果たすとの見通しも示した。
一方で、セイラー氏は最大のリスクとして、コミュニティ内部の誤った発想を挙げた。伝統的な金融システムに適合させるため、取引速度の引き上げや規制対応機能の追加、銀行システムとの連携強化を求める声が強まる可能性があるという。
同氏はこうした動きを「医原性リスク」と表現した。善意で導入した措置が、かえってネットワークを弱体化させるリスクを指す。Bitcoinの強みは単純性、安全性、分散性にあるため、プロトコルを大きく変更すれば、新たな脆弱性を生んだり、一部の有力プレーヤーに支配が偏ったりする恐れがあるとした。
その上で、資金流入が拡大する局面ほど、普及拡大と開放性、安全性、分散性の維持をどう両立させるかが重要になると強調した。コミュニティが改良を急ぐあまり、安易にプロトコル変更へ踏み込むべきではなく、変更には厳格な基準が必要だとの立場も示した。
Bitcoinが制度金融との接点を広げるなか、成長スピードそのものよりも、ネットワークの単純性、安全性、分散性を守ることが一段と重要になっているというのが、同氏の見立てだ。
セイラー氏は「Bitcoinは勝った。世界的なコンセンサスとして、BTCはデジタル資本だ。4年サイクルは終わった。価格はいま資金フローで動く。銀行とデジタル信用がBitcoinの成長軌道を決める。最大のリスクは、誤った発想が医原性のプロトコル変更を招くことだ」と述べた。