米国とイランの軍事的緊張が続くなか、今週の韓国株式市場は中東情勢の行方に加え、主要経済指標や企業決算をにらみながら方向感を探る展開となりそうだ。市場では、海外投資家の買い越し転換を背景に、KOSPIの反発局面では半導体株が主導役になるとの見方が強まっている。
KOSPIは3日、前日比2.74%高の2377.30で取引を終えた。ドナルド・トランプ米大統領が2〜3週間以内にイランへの集中的な攻撃に踏み切る可能性に言及したことで、取引時間中は値動きが荒くなった。
その後、イランとオマーンがホルムズ海峡の安全航行に向けたプロトコルを協議しているとの報道が伝わり、相場は切り返した。
需給面では、海外投資家がKOSPI市場で12営業日ぶりに現物・先物ともに買い越しに転じ、買越額は約1兆ウォンとなった。サムスン電子やSK hynixといった大型半導体株に加え、Hanwha Oceanなど造船、防衛、原発関連銘柄も指数を押し上げた。
市場関係者の間では、今後1〜2週間は米政権の対応方針とホルムズ海峡の通航が実際に安定するかどうかが、リスク資産への選好を左右するとの見方が出ている。
イ・ギョンミンDS Investment & Securities研究員は「イラン発の地政学リスクはピークを通過しつつある」と指摘。「コスト負担は避けられないが、主要原材料で実際の供給混乱が起きる最悪のシナリオは回避した」と分析した。
地政学的な不確実性が残るなかでも、韓国株には依然として割安感があるとの指摘もある。KOSPIの12カ月先行PERは7.6倍まで低下した。
イ・ソンフンKiwoom Securities研究員は、この水準について「2011年8月の米国債格下げ時や、2018年10月の米中貿易摩擦時の底値圏に近い」と説明した。利益コンセンサスの上方修正も踏まえると、ファンダメンタルズを軸にした押し目買いが有効な局面だとしている。
市場が落ち着きを取り戻す局面で、最も早く株価の戻りを主導する業種としては半導体が有力視されている。
イ・ジェマンHana Securities研究員は「KOSPI半導体セクターのPBRは年初来高値比で22%低い1.89倍の水準にある一方、12カ月予想営業利益率は47%と過去最高を更新している」と指摘した。そのうえで、米連邦準備制度理事会(FRB)の利上げへの警戒感が後退すれば、半導体が指数反発を主導する可能性が高いとみている。
業種選別では、国際原油相場の動向も重要な材料になる。足元のWTIは1バレル110ドル(約1万6500円)を上回っている。
原油価格が90ドル(約1万3500円)前後を維持した場合、S&P500ではメディアと資本財、KOSPIでは造船と機械で営業利益率の改善幅が大きく、相対的に有利になるとの分析が出ている。
一方、原油が80ドル(約1万2000円)近辺まで下落した場合は、S&P500ではハードウェア、運輸、医薬バイオ、KOSPIでは運輸、自動車、二次電池、鉄鋼、化学が注目される見通しだ。
さらに原油が70ドル(約1万500円)前後で安定すれば、銀行、ソフトウェア、医薬バイオのPERが相対的に高くなると予測された。
市場の関心は足元で、地政学リスクから企業業績や主要マクロ指標へと急速に移っている。海外主要メディアの間でも、韓国株は地政学リスクが残るなかでも、AIと半導体産業の成長を追い風に中長期の上昇余地を保っているとの見方が示されている。
7日にはサムスン電子が2026年1〜3月期の暫定決算を公表する。10日には韓国銀行・金融通貨委員会に加え、米国の3月消費者物価指数(CPI)、中国の3月物価指標の発表が予定されている。
証券業界では、物価の水準や中東情勢の受け止め方を巡って一時的に相場が不安定になる可能性はあるものの、最終的にはファンダメンタルズを確認しながら指数は緩やかな回復基調をたどるとの見方が多い。
チョン・ヘチャンDS Investment & Securities研究員は「来週は米国の雇用統計と物価指標、連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨まで主要マクロイベントが集中する」と述べた。そのうえで、市場の関心が地政学リスクから企業業績や景気指標へ移る局面で、株式市場の方向性を見極める分岐点になると指摘した。