生成AI政策のイメージ写真=Shutterstock

情報通信政策研究院(KISDI)は4月5日、生成AIの競争力を高めるには、産業や公共分野への導入拡大にとどまらず、個人利用者の裾野を広げる政策設計が必要だとする報告書を公表した。利用は広がっているものの、信頼や保護制度は十分とは言えず、需要者起点の政策への転換が求められると指摘している。

報告書のタイトルは「生成型人工知能サービス採用の先行要因に関する探索的研究」。チュ・ソンヒ研究委員が取りまとめ、一般市民2000人と専門家34人を対象に、生成AIの利用行動と政策需要を分析した。

報告書は、生成AI分野の競争力は、関連産業や公共部門での導入・普及だけで決まるものではなく、実際に利用する個人の拡大が欠かせないと結論付けた。

調査では、回答者の62%が生成AIを利用していると答えた。利用者の内訳は「毎日」が25.3%、「週2〜3回」が37.2%だった。利用サービスはChatGPTが90.6%で突出し、Geminiが43.6%で続いた。利用目的は「個人的な好奇心の解消や知識探索」が49%で最も多かった。

一方で、利用の広がりに比べて信頼は低い。生成AIが「信頼できる成果物を提供する」との設問に同意した割合は44%にとどまった。回答者の33.8%は、虚偽情報の生成や著作権侵害、機微情報の流出といった否定的な事例を実際に経験したと答えた。統計分析でも、「信頼性」は生成AIの利用頻度を下げる要因として一貫して確認された。

生成AIの活性化に必要な政策を1〜3位で選ばせたところ、「データ保護および倫理規定の強化」が合算50.6%で最多だった。このうち19.8%が1位に挙げた。以下、「副作用やリスクを減らす技術的補完策の開発」が18.4%、「誤用・乱用に対する規制と処罰の強化」が17.7%と続いた。これに対し、「企業のR&D支援」など供給側の技術重視政策は0.1%にとどまった。

年代別では、10代と50代、60代で「副作用・リスク低減のための技術的補完策」を1位に挙げる割合が高かった。20〜30代は「誤用・乱用に対する規制と処罰の強化」を重視する傾向が相対的に強い。年齢が低いほど、「個人データ主権・補償」に関する政策への賛同が高かった。

報告書は、技術進歩そのものは、一般利用者が考える生成AI政策の優先順位では上位に入りにくいと分析している。

政府のAI政策対応の妥当性を尋ねた設問では、否定的な評価が26.4%と、肯定的な評価の23.2%を上回った。「普通」は50.5%だった。平均点は2.95点で、中立水準の3点をわずかに下回った。

AI政策の意思決定過程に市民意見が十分に反映されているかとの設問でも、否定的回答は32.0%で、肯定的回答の19.3%を12.7ポイント上回った。平均点は2.84点だった。

専門家の評価もおおむね一致している。学界や市民社会の専門家は、2025年に制定された「人工知能の発展と信頼基盤の形成などに関する基本法(AI基本法)」について、産業振興に重きが置かれる一方、利用者保護や倫理面の安全装置は相対的に弱いとみている。報告書は、予見可能な詳細ガイドラインの整備と、利用者保護措置の具体化が必要だとした。

補完立法が相次ぐ一方、利用者保護を正面から扱う法案は少ない。

第22代国会では、AI基本法の施行後に関連する補完立法の動きが続いている。ただ、利用者が最も必要と考えたデータ保護や倫理規定の強化を直接扱う法案は限られている。

国会議案情報システムによると、今年発議されたAI関連法案は9件。このうち、利用者保護に直結する法案は2件だった。チョン・チュンセン議員によるAI基本法の一部改正案は、医療、法律、金融など専門分野の結果を提供するAIサービスに対し、専門家の判断を代替しない旨の表示を義務付ける内容だ。青少年向けサービスには保護のための技術的措置も求めている。

イ・サンフィ議員の改正案は、AI生成物の表示に対する毀損、偽造、変造を禁じ、3000万ウォン以下の過料を科すとしている。

他の法案は、産業振興やインフラ支援に重点を置く内容が中心だ。データセンターの構築・運営支援に関する特別法案だけで3件が発議された。学習用データ供給体制の強化、AI教育・リテラシー支援、雇用環境の変化に対応する基本計画の策定など、政策の軸足は供給側に置かれている。

報告書は、利用者の需要と立法の方向性との隔たりはなお大きいとみる。生成AIの社会的普及は、利用者の経験、信頼、保護体制と密接に結び付いており、今後は需要者中心で政策を設計すべきだと提言した。

キーワード

#生成AI #KISDI #AI基本法 #データ保護 #倫理 #ChatGPT #Gemini
Copyright © DigitalToday. All rights reserved. Unauthorized reproduction and redistribution are prohibited.