2026年1〜3月の暗号資産市場では、取引代金が20兆5700億ドル(約308兆5500億円)に達した。一方で、売買高や流動性、預かり資産は上位取引所に一段と集中した。ブロックチェーンメディアのBeInCryptoが3日、CoinGlassの四半期レポートを基に報じた。
CoinGlassによると、市場は2025年10〜12月期の急落からなお完全には立ち直っていない。2025年10月の関税ショックでは、24時間で190億ドル(約2兆8500億円)規模の清算が発生。この影響でビットコインは12万6000ドル超の高値から約35%下落し、取引所全体の未決済建玉も4割超減少した。
2026年1〜3月の取引代金の内訳は、現物が1兆9400億ドル(約291兆円)、デリバティブが18兆6300億ドル(約2794兆5000億円)だった。ただ、月次ベースでは1月以降に取引が減少し、3月が四半期で最も低い水준となった。デリバティブ取引は現物の約9.6倍で推移した。
取引所別では、Binanceが取引代金、未決済建玉、板の厚さ、預かり資産残高のすべてで首位だった。Binanceのデリバティブ累計取引代金は4兆9000億ドル(約735兆円)で、上位10取引所全体の34.9%を占めた。これはOKXの2兆1900億ドル(約328兆5000億円)とBybitの1兆4900億ドル(約223兆5000億円)を合計した規模を上回る。日次平均の未決済建玉は239億ドル(約3兆5850億円)で、2位のBybitの約2.2倍だった。
ビットコイン先物を基準にみた流動性でも、Binanceの優位が目立った。ミッドプライスの上下1%以内にある買い・売り注文の板の厚さは、Binanceが2億8400万ドル(約426億円)で最大。OKXは1億6000万ドル(約240億円)、Bybitは7655万ドル(約114億8000万円)だった。預かり資産残高でもBinanceは1529億ドル(約22兆9350億円)と、上位10取引所の73.5%を占めた。2位のOKXは159億ドル(約2兆3850億円)にとどまった。
分散型デリバティブ・プロトコルのHyperliquid(HYPE)は、取引代金4927億ドル(約73兆9050億円)で上位10取引所に入った。日次平均の未決済建玉は60億ドル(約9000億円)、ピーク時は97億ドル(約1兆4550億円)だった。ただ、規模では依然として最上位の中央集権型取引所に及ばない。Grayscaleは3月、HYPE ETFについてS-1を提出し、NASDAQ上場に向けた手続きを進めた。
市場全体の取引代金は高水準を維持したものの、月次では1月以降に減速した。なかでも上位取引所への集中は売買高や流動性にとどまらず、預かり資産でより鮮明だった。Hyperliquidもシェア争いに加わりつつあるが、現時点では最上位グループというより、中位の中央集権型取引所に近い規模にある。