ビットコイン 写真=Shutterstock

ビットコインが6万6000ドル台まで下落し、7万5000ドル突破への期待が後退した。原油高を背景に投資家のリスク回避姿勢が強まったうえ、米プライベートクレジット市場への警戒、機関投資家資金の流出、採掘企業の売りが重なり、相場の重しとなっている。

2日付のCointelegraphによると、ビットコインは週内に6万6000ドル台まで水準を切り下げた。米欧市場の休場を控えた時期を前に下振れリスクへの警戒が強まるなか、米国とイランの追加軍事行動への懸念が広がり、WTI(米国産標準油種)は1バレル110ドルを上回った。これを受け、投資家はビットコインや株式などリスク資産の比率を引き下げた。

投資家心理を冷やしたのは、プライベートクレジット市場への不安も同様だ。米財務省は2兆ドル規模とされる同市場への懸念を示しており、保険監督当局は5月上旬まで調査を進める。オルタナティブ資産運用会社Blue Owlは、プライベートクレジットファンド2本で大口の償還請求が発生したと公表し、償還を純資産の5%に制限した。

米雇用指標にも減速の兆しが出ている。失業給付申請は3月21日終了週に184万人となり、前週の182万人から増加した。再就職支援会社Challenger, Gray & Christmasは、レイオフの相当部分が人員削減と人工知能(AI)投資への予算シフトに伴って発生したと指摘した。

需給面も弱い。米国のビットコイン現物ETFは3月24日以降、4億5000万ドル(約675億円)の純流出となった。関連ETFの運用資産は合計880億ドル(約13兆2000億円)で、このうちBlackRockのiShares Bitcoin Trust(IBIT)が539億ドル(約8兆850億円)と最大を占める。市場では、ビットコインが6万6000ドル近辺で下げ止まれば、ETFからの資金流出も鈍る可能性があるとの見方が出ている。

採掘企業や一部上場企業による売りも続いた。Mara Holdingsは3月、1万5133BTCを推定取得原価を下回る水準で売却した。Riot Platformsは売却に向けて500BTCを移した。Nakamoto Holdingsも、ビットコインを買い増し続けるとしていた従来方針を転換し、284BTCの売却を公表した。

一方で、市場では中期的な下支え要因を指摘する声もある。景気減速懸念の高まりは、追加の景気刺激策への思惑にもつながっているためだ。短期的な不確実性は残るものの、こうした政策対応が中期的にはビットコイン相場を支える可能性があるとの見方が出ている。米国の連邦財政赤字は2026年に1兆9000億ドル(約285兆円)に達する見通しで、流動性供給が拡大すれば、希少資産への選好を強める可能性があるとの分析だ。

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