OpenAIのサム・アルトマンCEO(写真=Shutterstock)

OpenAIが動画生成AIプラットフォーム「Sora」の打ち切りを決め、Disneyが準備していたキャラクター活用構想が中断した。DisneyはOpenAIへの10億ドル(約1500億円)の投資計画も保留した。サム・アルトマンCEOは、この決定をジョシュ・ダマロ氏(Disney CEO)に直接伝え、「彼に話すのがつらかった」と語ったという。

Varietyが2日(現地時間)に報じたところによると、サム・アルトマンCEOは「Mostly Human」でSora打ち切りの理由を説明した。OpenAIとして、計算資源と開発体制を次世代の自動化研究者の開発と会社運営に集中させる必要があったとしている。

DisneyはSoraの打ち切りを織り込んでおらず、投資計画の見直しを迫られた。両社が進めていた構想は、アイアンマン、シンデレラ、ミッキーマウスなど200超のDisneyキャラクターをOpenAIにライセンスし、ユーザーがSoraでキャラクターのAI生成版を作成してDisney+に投稿できるようにするという内容だった。

サム・アルトマンCEOは一方で、Disneyとの協業自体は継続したい考えも示した。「Soraや生成AIによる動画、そしてDisneyとのパートナーシップを今も高く評価している」としたうえで、「彼らはいまも大きな可能性を模索しており、われわれも支援できる」と述べた。ダマロ氏は電話で「理解している」と応じた一方、「パートナーや利用者、チームを失望させるのはいつもつらい」とも話したという。

サム・アルトマンCEOは、優先順位の見直しに伴って過去にも複数のプロジェクトを打ち切ったことがあると説明した。GPT-3の時期にも、ロボティクスなど一定の成果を上げていた案件を終了し、計算資源と研究人材を集中投入したとしている。

一方、AIを巡るガバナンス論争についても自らの立場を明確にした。「今後1年以内に世界が答えを出すべき最も重要な問いの一つは、AI企業と政府のどちらがより強い権限を持つべきかだ」と述べ、「政府が優位であるべきだと思う。国家安全保障の中核に関わる決定は、民主的に選ばれたプロセスで行われるべきだ」と主張した。

AIが地政学やサイバーセキュリティに与える影響を踏まえると、テック企業が独自に統制権を握る構図は望ましくないという考えだ。

焦点は大きく二つある。1つは、OpenAIが「Sora」のような一般向けクリエイティブ製品よりも、エージェントや次世代モデルを優先するなか、パートナー企業がどのような代替協業モデルを打ち出すか。もう1つは、政府と民間のAI権限の境界が国家安全保障やサプライチェーン、表現の自由と絡み合うなかで、OpenAIが今後の政策論議にどう関与していくかだ。

キーワード

#OpenAI #Sora #Disney #動画生成AI #Disney+ #AIガバナンス #投資計画
Copyright © DigitalToday. All rights reserved. Unauthorized reproduction and redistribution are prohibited.