Rippleが保有する大量のXRPが、銀行による導入判断の重しになり得るとの見方が、暗号資産コミュニティで広がっている。焦点となっているのは、Rippleがエスクロー分を含め385億XRPを保有している点で、価格上昇時に発行体の影響力が過大になる可能性や、資産集中、決済手段としての価格安定性をどう評価するかだ。
ブロックチェーンメディアのThe Crypto Basicが2日(現地時間)に報じたところによると、アナリストのメイソン・バーズルイスはX(旧Twitter)への投稿で、XRP価格が大きく上昇した場合、Rippleが過度な影響力を持つ可能性があると指摘した。
同氏は、銀行が暗号資産の導入を検討する際には、技術面だけでなく、市場構造やトークンの配分、市場での受け止め方もあわせて見極める必要があると主張した。そのうえで、XRPが持つ迅速かつ低コストな国際送金の利点が、こうした懸念を上回れるかどうかが重要な判断材料になるとした。
Rippleは、エスクローで管理する335億XRPと、エスクロー外で保有する50億XRPを合わせ、計385億XRPを保有している。バーズルイスは、XRP価格が1枚30ドルに達した場合、Rippleの保有資産の価値は1兆1400億ドルに膨らむ可能性があると試算した。足元の価値は513億ドルとしている。
同氏は、XRP価格の上昇によってRippleの影響力が強まり、既存の金融システムと摩擦を生む可能性があるとの見方も示した。
また、決済手段としてステーブルコインの存在感が高まれば、XRPを「グローバルなブリッジ通貨」と位置付ける構想そのものが変化する可能性があるとも問題提起した。コミュニティ内では、金融機関による導入拡大に期待する声がある一方、銀行の意思決定の仕組みを踏まえれば慎重にみるべきだとの意見も出ている。
一方で、暗号資産金融企業Anodos Financeの最高経営責任者(CEO)、パノス・メクラスは、世界の銀行が決済手段としてXRPを採用しない可能性があるとみている。Rippleが2024年12月にステーブルコイン「RLUSD」を投入した背景にも、こうした認識があるとの見方を示した。ステーブルコインは価値が固定されているため、決済手段としての予見可能性が高いという。
今回の論点は、XRPの技術的な有用性と、Rippleによる大規模保有という構造を、金融機関がどう評価するかに集約される。XRPが迅速かつ低コストの国際送金手段である点は明確だが、銀行は発行体の影響力、資産の集中度、決済手段としての価格安定性も同時に見極める必要があり、実際の導入可否は技術だけでは決まりにくいとの見方が出ている。
ステーブルコインが決済分野で存在感を強めるなか、XRPがグローバルなブリッジ資産としてどのような役割を確保できるかが、今後の焦点となりそうだ。