資産運用大手のBlackRockは、ビットコインのインカム獲得を狙うETF「iShares Bitcoin Premium Income ETF(BITA)」の上場に向け、米証券取引委員会(SEC)にS-1の修正届出書を提出した。BloombergのETFアナリスト、エリック・バルチュナス氏は、BITAの上場時期について「数カ月先ではなく、数週間以内」との見通しを示している。
ブロックチェーンメディアCoinPostによると、BlackRockは3月31日(現地時間)、BITAに関するS-1修正届出書をSECに提出した。BITAは、ビットコインに連動する資産を保有しながら、カバードコールの売却によるオプションプレミアム収入の獲得を目指す商品だ。
届出書では、ファンドの構成資産として、ビットコイン現物のほか、BlackRockのビットコイン現物ETF「iShares Bitcoin Trust(IBIT)」の株式、現金を挙げている。カストディアンはCoinbaseとなる見込みだ。
運用報酬は現時点で開示されていない。一方、バルチュナス氏は38bp前後になると予想している。同氏は、カバードコール戦略は株式市場で広く使われてきた手法であり、暗号資産市場でも、プレミアム収入を得ながら価格変動へのエクスポージャーを確保したい機関投資家の需要に合致すると説明した。
その半面、ビットコイン価格が急騰した局面では、値上がり益の一部を取り込みにくくなる可能性があるとも指摘している。
ビットコイン現物ETFを巡っては、手数料競争も続いている。Morgan Stanleyは、ビットコイン現物ETF「MSBT」の運用報酬を年0.14%に設定した。これは、Grayscale Bitcoin Mini Trust(BTC)の0.15%を下回る水準となる。
MSBTが承認されれば、米大手銀行が直接手がける初のビットコイン現物ETFとなる見通しだ。上場時期は4月初旬が見込まれている。
BITAは、ビットコイン価格への連動性を維持しつつ、オプションプレミアム収入の上乗せを狙う点で、既存の現物ETFとの差別化を図る商品といえる。値上がり益の一部を手放す代わりに、相対的に安定したインカム収入を目指す設計で、値動きの大きい市場における新たな選択肢として注目を集めそうだ。
市場では、今回のBITA投入がビットコインETF市場の競争軸を広げる可能性にも関心が集まっている。これまでは現物連動性や手数料の引き下げが主な争点だったが、今後はインカム型戦略と低コスト商品の双方が投資家の比較対象になる可能性がある。
バルチュナス氏はXで、「注目されるiShares Bitcoin Premium Income ETFのティッカーはBITAになる。S-1の修正届出書が提出されたが、手数料はまだ示されていない。自身の予想は38bpだ」と投稿した。