AlibabaやZhipu AIなど中国のAI企業が、最新モデルのオープンソース公開を絞り、クラウドやAPI経由の提供に軸足を移している。収益化を優先する動きが強まっている。South China Morning Postが2日に報じた。
Alibabaは今週、コーディング向けの「Qwen3.6-Plus」と、テキスト・音声・画像・動画を扱うマルチモーダルモデル「Qwen3.5-Omni」など、非公開モデル3種を発表した。提供先は自社クラウドプラットフォームとチャットボットのWebサイトに限っている。
Alibabaは2025年9月、初の兆単位パラメータモデルを発表して以降、これを非公開モデルとして維持してきた。前世代の「Qwen3-Omni」はオープンソースで公開したが、3.5版は非公開モデルへ切り替えた。
Alibaba Cloudはその理由について、オープンソースAIプラットフォーム「Hugging Face」でのダウンロード実績を踏まえ、Omniシリーズは開発者人気が相対的に高くなかったためだと説明した。
Qwenの研究チームに所属するジェン・チュジエ氏はX(旧Twitter)で、「最先端性能を備えたフラッグシップモデルの構築が常に最優先課題だ」と投稿した。そのうえで、「競争力に欠ける小型モデルの投入は、優先度が高くない」と述べた。
2025年1月のDeepSeek「R1」公開以降、中国企業は世界のオープンソースAIエコシステムで存在感を高めてきた。QwenはHugging Face上でみると、派生モデル数がGoogleとMetaの合計を上回るという。数十億パラメータ規模の小型モデルを多数公開し、世界中の開発者が自由にダウンロードして活用できるようにしたことが、成長を後押しした。
一方、GLMシリーズを手がけるZhipu AIのCEO、ジャン・ポン氏は、業績発表後のカンファレンスコールで、「当初は自社サーバー上でオープンソースモデルを運用しようとしていた顧客が、徐々にクラウドベースのAPI利用へ移行している」と説明した。海外で知名度を高めるために、オープンソース戦略に頼る必要は薄れたとも付け加えた。
Kuaishouの動画生成ツール「Kling AI」など、中国国内で収益性の高いAI製品は、すでに非公開モデルを中核に展開していると同紙は伝えている。