米アリゾナ州で、押収や自発的返還などで取得した暗号資産を売却せず、戦略備蓄として保有できるようにする法案が、下院本会議での採決段階に進んだ。
ブロックチェーン専門メディアのThe Crypto Basicが1日(現地時間)に報じたところによると、アリゾナ州上院法案1649号(SB1649)はこのほど下院規則委員会を通過した。委員8人は全員が賛成票を投じ、法案は次の手続きとして下院本会議で採決される見通しだ。
法案はマーク・フィンチェム議員が提出した。これに先立ち、上院財政委員会では賛成4、反対2、棄権1で可決されている。
SB1649は、州政府が押収や自発的返還などの法的手続きで取得したデジタル資産を保有できるようにする内容。現行では、当局がこうした資産をオークションで売却するケースが多いという。
法案が成立すれば、アリゾナ州はこれらの資産を長期の戦略備蓄として保有できるようになる。
あわせて法案は、「Digital Assets Strategic Reserve Fund」を新設し、州財務官が管理することも定めた。基金に組み入れる資産は、暗号資産の公正価値に関する基準を満たす必要がある。
基準には、採用状況、年間取引量、総取引価値、エコシステムの開発状況などが盛り込まれている。
備蓄対象にはXRPのほか、ビットコイン、NEAR Protocol、Nano(NANO)、Monero(XMR)が含まれる。
州財務官は基金の保有資産を運用して収益を得ることができるが、投資活動によって州の財政リスクを高めてはならないとの条件も設けた。
下院本会議で可決した場合、法案は州知事に送られ、最終的な署名を経て成立する。アリゾナ州議会では、公的資金の最大10%を暗号資産に投資できるようにする上院法案1042号(SB1042)もあわせて審議が進んでいる。
今回のSB1649は、州政府が押収資産や返還資産をオークションで処分するのではなく、戦略的に保有する枠組みを整えるものだ。成立すれば、公的部門によるデジタル資産備蓄の議論が一段と広がる可能性がある。