量子コンピューティングによる暗号リスクが改めて注目されている(写真=Shutterstock)

XRP Ledger(XRPL)のdUNLバリデーターであるベット氏は、量子耐性ハードフォークへの対応について、XRPLは比較的進めやすい一方、Bitcoinは技術面ではなく社会的な合意形成が大きな障壁になるとの見方を示した。The Crypto Basicが1日に報じた。

量子コンピューティングが既存の暗号方式を脅かす可能性を巡る議論が続く中、同氏はBitcoinの移行の難しさについて、「技術そのものより、分散したコミュニティで合意を形成することにある」と指摘した。

Bitcoinでは参加者が幅広く、これまでもガバナンスを巡る対立が繰り返されてきた。これに対しXRPLは、バリデーターがプロトコル改善を導入・採択してきた実績があり、アップグレードを比較的円滑に進めやすいとした。

量子リスクを巡っては、Googleが量子コンピューター向けに最適化されたShorアルゴリズムを実行した場合、256ビットのECDSAが理論上は数分で破られる可能性があると説明している。BitcoinやEthereum、XRPLなど主要な暗号資産ネットワークでは、取引の安全性や所有権の検証にECDSAが使われている。

一方で、Binance創業者のチャンポン・ジャオ(CZ)氏は、必要になればポストクアンタムアルゴリズムへアップグレードすればよいとして、過度な不安をあおる見方を戒めた。ただ、実装に当たっては複数の論点を検討する必要があるとも付け加えた。

XRPLは直近の提案対応でも比較的素早く動いた。2月には、セキュリティ研究者のプラナミャ・ケシカマット氏が、提案されていたBatch機能の改正案に致命的な欠陥を発見した。

この欠陥が悪用された場合、ユーザーのXRPが不正に流出する恐れがあるとして、同氏はXRPLの研究チームに通知した。開発チームはアップグレード適用前にdUNLバリデーターへ反対票を投じるよう求め、脆弱性を無効化するパッチを配布したうえで、修正版を改めて提案した。

XRPLではこのほか、ポストクアンタムのML-DSA署名の初期テストや、量子耐性アルゴリズムのテスト環境整備、プロトコルレベルの鍵交換機能の開発も進めている。

今回の議論は、量子コンピューティングの脅威への対応に必要なのが、技術開発だけではないことを示している。移行の成否は、ネットワーク参加者がどれだけ迅速に合意し、既存ユーザーの資産を安全に移せる仕組みを整えられるかに左右されるとの見方が出ている。

とりわけBitcoinのように参加主体が広く、意思決定の枠組みが緩やかなネットワークほど、量子耐性への移行には大きな混乱を伴う可能性がある。これに対し、XRPLのようにバリデーター主導のアップグレード経験を積んできたチェーンは、相対的に迅速な対応が可能とみられる。主要ブロックチェーンのガバナンス構造の違いが、今後のセキュリティ対応の速さを左右する要因として改めて注目されそうだ。

ベット氏は「Bitcoinが量子耐性ハードフォークを実現できるかどうかは、技術の問題ではなく、コミュニティとして合意を形成できるかにかかっている。私はそこに懐疑的だ。一方でXRP Ledgerがそれを実現できることには全く疑いがない。中核機能を強化するためにプロトコル改善を重ねてきた実績があるからだ」と述べた。

キーワード

#XRPL #XRP #Bitcoin #量子コンピューティング #量子耐性 #ハードフォーク #ECDSA #Shorアルゴリズム
Copyright © DigitalToday. All rights reserved. Unauthorized reproduction and redistribution are prohibited.