Volkswagen車のインテリアイメージ。写真=Volkswagen

Volkswagenが、車内の操作系を物理ボタン重視へ見直す方針を打ち出した。トーマス・シェーファーCEOは、タッチ中心の設計を改め、直感的に扱える操作系への回帰は「譲れない」との考えを示した。

電気自動車メディアのInsideEVsによると、シェーファーCEOは4月1日(現地時間)、Top Gearのインタビューで、物理操作系への回帰について「non-negotiable(譲れない)」と述べた。

これは、ここ数年進めてきたタッチ中心のデザイン方針を実質的に見直す発言と受け止められている。Volkswagenは業界の流れに沿って従来のボタンを減らし、一体型のタッチ操作や静電容量式の操作系を拡大してきたが、使い勝手の面では不満も目立っていた。とりわけ、物理スイッチを備えながら、運転席から後席の窓を直感的に操作しにくい設計は議論を呼んだとされる。

シェーファーCEOは、こうした設計思想について「iPhoneのようなデザイン」の影響があったと説明。その上で、デザインチームの方向性を、より直感的な物理操作系へ戻すのは容易ではなかったと語った。「私にとって絶対に妥協できないものが2つある。ドアハンドルとボタンだ」と述べ、「なぜタッチに敏感なスライダーを使うのか理解できない」とも話した。

物理ボタンへの回帰は、単なる好みの問題ではなく、電動化競争のなかで揺らいだブランドへの信頼を立て直す戦略の一環とみられる。報道によれば、VolkswagenブランドのEV累計販売は200万台を超えたが、複数市場では販売環境が厳しさを増している。シェーファーCEOは需要回復に向けた原則の再整備を進めており、その柱として物理ボタンの拡充に加え、消費者にとって分かりやすいモデル名への回帰にも言及した。

背景には、自動車業界全体で進んだユーザーインターフェースを巡る競争がある。Teslaが大型のタブレット型ディスプレイを中心とした車内設計を打ち出した後、多くの自動車メーカーがこれに追随し、大型タッチスクリーンは事実上の標準となった。ただ、各社がTesla並みの滑らかで直感的なUIを実現できたわけではなく、その差が消費者の不満につながったとの見方もある。Volkswagenグループ傘下のScout Motorsが、触感の明確な操作系を戦略の中心に据えている点も、同じ流れの中で紹介された。

シェーファーCEOは、Volkswagenが目指す直感性についても具体的に語った。「Volkswagenは親しみやすい顔を持つべきで、ドアハンドルも直感的でなければならない。買い物で両手がふさがったまま車に戻ってきても、簡単に使えなければならない」と説明。さらに「すぐ理解できるクルマのために、実体のあるボタンと分かりやすい名前を再び持ち込む」と強調した。

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