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米財務省は、ステーブルコイン規制を定めたGENIUS法の施行に向け、初の規則制定案を公表した。小規模な発行体に対して州規制の適用を認める際の判断基準を示す内容で、連邦官報を通じて60日間の意見公募を実施する。

ブロックチェーン専門メディアのThe Blockが1日(現地時間)に報じた。財務省が公表したのは規則制定案(NPRM)で、州の規制体系がGENIUS法に基づく連邦の規制枠組みと「実質的に類似」しているかを判断するための原則を示した。財務省は声明で、今回のNPRMを「GENIUS法を実施するために提案する最初の規則」と位置付けた。

GENIUS法には、発行規模の小さいステーブルコイン発行体に関する例外規定が盛り込まれている。発行資産が100億ドル未満の発行体は、全面的な連邦監督ではなく州規制を選択できる可能性がある。ただし、その前提として、当該州の規制体系が連邦の枠組みと実質的に類似していると認められなければならない。

今回のNPRMは、この「実質的に類似」の判断基準を具体化するものだ。州規制が連邦水準に見合うかどうかについて、連邦側が一定の原則を示す意味合いを持つ。

市場では、GENIUS法の大枠を実際の監督ルールに落とし込む初の手続きとして、今回の規則案に注目が集まっている。現時点では、GENIUS法と既存の資金移転規制との整合性や、どの機関がどの分野の監督権限を担うのかといった整理も進められているという。

財務省がGENIUS法を巡って意見公募を行うのは今回が初めてではない。法成立直後の昨年8月には、デジタル・フォレンジックツールとステーブルコインをテーマに意見を募った。9月には、税務や情報収集に関する論点を含む幅広い実施事項について、ANPRMも実施している。銀行規制当局の連邦預金保険公社(FDIC)と通貨監督庁(OCC)もそれぞれNPRMを公表しており、GENIUS法の執行に向けたルール整備は複数機関で同時並行で進んでいる。

今後の焦点は、100億ドル未満の発行体に対して州監督の選択がどこまで認められるかにある。規制ルートの選択肢が広がる可能性がある一方で、「実質的に類似」の基準が厳格であれば、州規制を選んだ場合でも実質的には連邦並みの要件が求められることになる。逆に基準が緩やかであれば、州ごとの規制差がステーブルコイン市場の構造に影響を与える余地が残る。

もう一つの論点は、GENIUS法に利払い型ステーブルコインに関するガイドラインが盛り込まれていない点だ。The Blockは、この空白が、議会で「Clarity」と呼ばれるより広範な市場構造法案を進める上で大きな障害になっていると報じた。GENIUS法の施行規則を巡る議論が前進しても、利払い型ステーブルコインを巡る政策上の空白が、別の立法・規制論争に波及する可能性は残っている。

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