Mobilintは4月2日、PoscoDXとAI半導体を活用した産業向けAIソリューションの共同開発に向け、MOU(基本合意書)を締結したと発表した。両社はAI半導体技術と現場導入の知見を組み合わせ、製造、ロボット、物流、安全分野での活用を見据えたソリューションを開発し、商用化につなげる方針だ。
協業の対象は、AIハードウェアシステムの共同開発、現場適用に向けたPoC(概念実証)と技術検証、新たな協業テーマの発掘と事業化、実務協議体を軸とした協力体制の構築など。PoscoDXは、AI推論向けコードや開発環境、データセットなどの基盤資産に加え、産業自動化プラットフォーム「PosMaster」を通じて現場導入を支援する。
一方、Mobilintは高性能・低消費電力のNPUを基盤に、AIアルゴリズムの最適化とオンデバイスAIシステムの実装を担う。
両社は、AIインフラをGPU中心からNPUベースへシフトさせることで、インフラコストの削減と電力効率の向上を同時に進める考えだ。データセンターを介さないエッジAI構成を採用し、産業現場で重視されるセキュリティとリアルタイム性の確保も狙う。
Mobilintによると、同社は国内で唯一、エッジ環境で大規模言語モデル(LLM)を動作させられるNPUを保有しているという。
今回の協業を通じて、Mobilintは自社のNPUベースのオンデバイスAI技術をPoscoDXの産業AI環境に適用し、PoCを経て事業化につなげる構えだ。PoscoDXは、エッジAI技術の適用領域を鉄鋼や二次電池素材の生産現場にとどめず、物流を含む幅広い産業分野へ広げる計画としている。
Mobilintの関係者は「PoscoDXによる戦略投資と協業を通じ、自社のAI半導体技術を製造・産業現場に本格展開する基盤を整えた」とコメントした。そのうえで「AIインフラの革新と、エッジ環境で稼働するAIの実装を通じて、産業全体の知能化を加速させたい」と述べた。
PoscoDXの関係者は「今回の協業により、インテリジェントファクトリーの実現に不可欠なLLMベースのエッジAI技術を確保できた」と説明した。さらに「単なるNPU供給にとどまらず、国内スタートアップとの協業・共生の成功事例へ発展させ、Poscoグループが製造AIのパラダイム転換を主導する企業として位置付けられるようにしたい」と語った。