ビットコイン(BTC)は下落圧力が続く中でも、過去の弱気相場で見られたような収益性の全面的なリセットには至っていない――。CryptoQuantのアナリストが、オンチェーンデータを基にこうした見方を示した。
ブロックチェーンメディアのThe Crypto Basicが1日(現地時間)に伝えたところによると、CryptoQuantのアクセル・アドラー・ジュニア氏は、ビットコインの収益性指標が過去の相場底入れ局面とは異なる水準にあると分析した。
ビットコインは4月に入り短期的に反発し、直近24時間では3%上昇して6万8000ドル(約1020万円)を回復した。ただ、市場全体ではなお下押し圧力が残っており、本格的な安定局面に入ったとは言い切れない状況だ。
分析の焦点となったのは、含み益にあるコインの比率を示す長期・短期の平均値だ。アドラー氏によると、4月1日時点で利益圏にあるビットコインの比率は66.4%まで回復し、30日移動平均(30DMA)は69.1%だった。一方、より重視すべき長期指標である365日移動平均(365DMA)は87.5%と高水準を維持しており、過去の弱気相場で確認されたような大幅な崩れは見られていないという。
同氏は過去の例として、2017年末に96〜97%だった365DMAが下落に転じ、2019年5月には63.8%まで低下した局面を挙げた。こうした急低下は、強い調整と市場の整理が進んだ局面を示していたと説明する。これに対し、今回のサイクルでは短期指標が揺れても365DMAは87.5%近辺にとどまっており、市場が依然として完全な投げ売り局面、いわゆるcapitulationには達していない可能性を示唆するとした。
足元の下落は、短期的には過去より深い面もあるという。アドラー氏は、2023年9月と2024年9月の調整局面では短期の収益性だけが弱含み、長期平均は崩れなかったと指摘した。2026年は指標の低下が一段と進み、収益性指標の一部は55.7%まで下落、30DMAも66.7%に低下したが、それでも365DMAは過去のリセット局面に比べてなお高い水準にあるとした。その上で、「収益性は低下し、圧力も強まっているが、365DMAが87.5%近辺を維持する限り、今回は全面的な弱気相場リセットというより、変動の大きい長期調整とみるべきだ」と結論付けた。
季節性に対する慎重な見方も出ている。市場観測者のアルディ氏は、2014年以降の4月について、平均リターンが9.1%、上昇した年の比率が67%で、10月、7月に次いでパフォーマンスが良かったと紹介した。ただ、「2026年は弱気相場の年だ」とした上で、同じ季節性の統計でも相場局面に応じて解釈を変える必要があると強調した。
具体例として、2014年4月はマイナス2%、2022年4月はマイナス18.7%だった点を挙げた。2018年4月のプラス35.7%についても、「弱気相場の中で生じた急反発に過ぎず、新たなサイクルの始まりではなかった」との見方を示した。
一方、CryptoQuantの別のアナリストであるトゥグチェ氏は、「実現価格(Realized Price)」を重要な価格帯として挙げた。同氏によると、ビットコインの実現価格は現在5万4000ドル(約810万円)で、主要な弱気相場では真の底を付ける前に、この水準を下回るケースが見られたという。
トゥグチェ氏は、5万4000ドルを買いが入りやすい重要水準と位置付ける一方、価格がこの水準を大きく割り込んだ後、一定期間にわたって下回って推移する可能性があると警告した。