写真=聯合ニュース

韓国の金融当局が、家計債務の総量管理を一段と強化する。2026年の家計融資増加率目標を前年より低い1.5%に設定したほか、多住宅保有者向けの住宅担保ローン規制も同時に引き締める。不動産市場では、売り物件の増加や取引縮小、市場変動の拡大につながるかが焦点となる。

金融委員会は1日、ソウルの政府庁舎で関係省庁や金融業界と「家計債務点検会議」を開き、「2026年家計債務管理方針」を発表した。会議には韓国銀行、金融監督院などの関係機関に加え、主要銀行5行が参加した。

イ・オクォン委員長は「家計債務の増加率は鈍化しているものの、GDP比では依然として高水準にある」と述べたうえで、「不動産への資金集中が経済全体の活力を損ねている」と説明した。

家計債務比率は2025年時点で約88%とされ、米国の68.0%、日本の61.1%を上回る水準にある。

今回の方針では、2026年の家計融資増加率目標を1.5%とし、前年の1.7%から引き下げた。あわせて、2030年までに家計債務比率をGDP比80%水準まで低下させる中長期目標も示した。

金融当局は、月次・四半期ごとの管理体制を導入し、年間を通じた融資の伸びを管理する。目標を達成できなかった金融会社には、翌月や翌四半期の目標を調整するなど、管理の実効性も高める方針だ。

一方で、総量管理の強化が融資の絞り込みにつながり、一部借り手の資金調達負担を高めるとの懸念も出ている。

今回の対策では、DSR規制の拡大や資本規制の強化は盛り込まれなかった。ただ、金融当局は今後の市場動向を見極めながら導入を検討するとしており、追加規制の余地は残している。

多住宅保有者向けの規制強化も、不動産市場に直接影響する主要施策と位置付けられる。首都圏と規制地域にあるマンションを担保とする融資については、多住宅保有者に対する満期延長を原則として制限する。

当局は、多住宅保有者の住宅売却を促す考えだ。ただ、賃借人との契約関係や土地取引許可制度など複数の要因が重なっており、短期的に売り物件が増えるかどうかは不透明との見方もある。

多住宅保有者に該当するかどうかは世帯単位で判断する。賃貸事業者であっても、主たる事業が賃貸業であれば規制対象に含める。贈与で取得した住宅は例外認定の対象から除外する。

賃借人がいる住宅については、既存の賃貸借契約が終了する日まで満期延長を認める。土地取引許可制度の補完措置として、実居住義務の履行時点を賃貸借契約の終了時まで猶予し、取引時期の前倒しを促す狙いもある。

無住宅者が多住宅保有者の保有住宅を購入する場合には、転入義務も一部緩和する。取引の誘因を補う措置だが、実際に取引活性化につながるかどうかは市場環境次第とみられる。

違法・脱法融資に対する制裁も強化する。事業者向け融資の資金使途違反が摘発された場合、家計向け融資を含め、金融業界全体で最大3年間の融資制限を科す。

さらに、金融当局は規制対象をオンライン投資連携金融業まで広げ、いわゆる「風船効果」を事前に遮断する方針を示した。一方、業界側は趣旨には賛同しつつも、市場への影響を踏まえたバランスの取れた制度設計が必要だと指摘している。

オンライン投資連携金融業界の関係者は「現場では懸念された風船効果はほとんど見られなかった。全面適用となれば、一部需要が制度圏外に移る可能性があり、投資家保護の観点からの影響も考慮すべきだ」と述べた。さらに、「売買目的などに応じて適用範囲を合理的に限定しても、政策上の懸念は十分補完できる」との見方を示した。

今回の対策は、家計債務の増加抑制と不動産市場の過熱沈静化に軸足を置く。ただ、総量管理と融資規制が同時に作用すれば、市場流動性の低下を通じて取引減少や価格調整など短期的なショックを招く可能性も指摘されている。

半面、規制が当局の想定通りに機能すれば、投機需要の抑制と債務の安定化という政策目標の達成に寄与するとの評価もある。

金融当局は今後、投機目的の融資に対する追加対策も順次打ち出す方針だ。

イ・オクォン委員長は「いまは金融が不動産市場との過度な結び付きを断ち、新たな方向へ進むべき時だ」と述べ、金融業界に対し、総量管理目標の達成や多住宅保有者への満期延長制限、融資規制違反の点検を徹底するよう求めた。

そのうえで、「今回議論した方策に加え、投機目的の非居住1住宅保有者などに対する融資規制案も追って公表する」とし、「不動産金融の誘因構造を全面的に再設計し、『不動産投機は割に合わない』という原則を市場に定着させる」と強調した。

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