アンソニー・スカラムーチ氏。写真=Shutterstock

元ホワイトハウス広報部長でSkyBridge創業者のアンソニー・スカラムーチ氏は、米国の暗号資産規制法案「CLARITY法案」について、上院での前進は難しいとの見方を示した。トランプ政権下で超党派の協力が弱まり、審議が長期化する可能性があるとみている。

ブロックチェーンメディアのBeInCryptoが3月31日(現地時間)に報じたところによると、スカラムーチ氏は、ドナルド・トランプ米大統領の政治的な判断が超党派の立法機運を損ねており、CLARITY法案は早い段階で行き詰まる可能性があると指摘した。現政権下では、暗号資産市場も高い変動性を伴うもみ合いが続く可能性があるとの見方も示した。

トランプ政権1期目に大統領補佐官を務め、在任11日で解任されたスカラムーチ氏は、トランプ氏の意思決定が政治的な膠着を深めていると批判した。「特定の案件で大統領と激しく対立した。彼は人の話を聞くのが好きではなく、自分の話を人に聞かせるのを好む。それが今の戦争で大きな問題になっている」と語った。

同氏が第1の理由として挙げたのは、トランプ氏が就任前にミームコイン「TRUMP」を発行し、推定6億〜7億ドル(約900億〜1050億円)を得た点だ。これが議会内の反発を強め、暗号資産に前向きだった民主党関係者の間でも、大統領に立法上の成果を与えることへの慎重姿勢が広がったとした。「トランプ大統領に反対する立場の人々が、このタイミングで暗号資産政策の政治的勝利を彼に与えようとはしないだろう」と述べた。

第2の要因としては、グリーンランドを巡るトランプ氏の圧力を挙げた。北大西洋条約機構(NATO)加盟国の主権に踏み込む姿勢が、超党派の規制議論に加わり得た議員を遠ざけたとしている。

さらに第3の要因として、最も過小評価されているものにイランを巡る米国の軍事作戦を挙げた。2000億ドル規模の国防費支出要請に触れ、安全保障対応が政治的余力を奪っていると指摘。加えて、議会への通知がないまま対立が始まったとも述べた。

法案審議の手続き面でも、上院でフィリバスターを乗り越えるために必要な60票の確保は「ほぼ不可能」との見方を示した。CLARITY法案は2025年7月に下院で294対134で可決したが、上院ではステーブルコイン収益を巡る見解の違いと政治的摩擦を背景に審議が止まっているという。2026年11月の中間選挙前という「ゴールデンタイム」を逃せば、規制整備は数年単位で遅れる可能性があると警告した。

法案の遅れは、Solana、Avalanche、TONといったレイヤー1トークンにとって引き続き重しになるとも指摘した。規制の不透明感は、デジタル資産トレジャリー(DAT)関連銘柄全般の売り圧力とも連動しており、同セクターは同氏の表現を借りれば弱気相場にあるという。

一方で、ビットコインの長期的な強気見通しは維持した。短期的には価格変動が続く可能性があるものの、レイヤー1ネットワークのトークン化が持つ潜在力は、法整備が進まなければ十分に引き出しにくいと述べた。さらに、Strategyによるビットコイン買い増しをAppleのiPhone初期になぞらえ、足元の不確実性も最終的には普及局面につながり得ると主張した。長期的には、ビットコイン価格が1枚当たり100万ドル(約1億5000万円)に達する可能性があるとの見方も示した。

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