韓国・科学技術情報通信部と韓国知能情報社会振興院(NIA)は4月1日、AIモデル開発を支援する「2026年 推論データ10種構築事業」の公募を開始した。総事業費は66億ウォン。大規模言語モデル(LLM)とフィジカルAI分野を中心に高度な推論データを整備し、今後「AIハブ」で公開する。
今回の事業は、論理的な思考過程(Chain of Thought、CoT)や因果関係を含む高品質な推論データを整備し、AIモデルの信頼性と産業現場での活用可能性を高めるのが狙いだ。
採択課題は計10件。LLM分野と、製造・ロボティクスを対象とするフィジカルAI分野で、それぞれ5件ずつ進める。産業現場での実利用を想定した高難度の推論データを構築する計画だ。
LLM分野では、複雑な文書理解や論理判断、ツール活用などを含む問題解決プロセスに対応した推論データを整備する。段階的な推論過程と判断根拠を備えたデータを構築し、韓国の社会・文化的文脈や言語特性を踏まえたAIモデル開発を支える。
詳細課題は、複合文書ベースの知識推論データ、研究プロセス支援データ、韓国語ベースのツール呼び出し推論データ、Web・GUIベースの行動推論データ、エラー増強・訂正推論データの5件。
フィジカルAI分野では、産業現場で発生する問題状況を基に、AIが原因を分析し、解決策を導き出すための推論データを構築する。多様な製造環境で状況を認識し、因果関係を推論しながら作業を修正・遂行できる自律製造向け基盤データの確保を目指す。
詳細課題は、製造設備のマルチセンサー異常診断・原因推論データ、表面欠陥の原因分析・品質判定推論データ、ロボット作業失敗の原因分析・復旧行動データ、ヒューマノイド行動生成の物理シミュレーション推論データ、非同期工程の因果性分析・推論データの5件。
整備したデータは今後、AIハブを通じて公開し、企業や研究機関、スタートアップが活用できるようにする方針だ。
科学技術情報通信部のチェ・ドンウォン人工知能インフラ政策官は「産業現場で必要とされるカスタム推論データを確保し、韓国のAI産業の質的飛躍を積極的に支援していく」と述べた。