ステーブルコインのイメージ(写真=Reve AI)

Standard Charteredは、ステーブルコインの回転率がこの2年で約2倍に上昇したとの分析を示した。月間平均の回転率は足元で約6回に達しており、市場では発行残高の拡大だけでなく、実際の利用頻度が新たな注目指標になりつつある。

同行によれば、回転率の上昇は新規発行需要を抑える可能性がある。デジタル資産調査責任者のジェフリー・ケンドリック氏は、回転率が高まるほど、必要な新規発行額は小さくなり得ると指摘した。一方で、2028年末までにステーブルコインの時価総額が2兆ドルに達するとの従来予測は据え置いた。

今回の回転率上昇を主導したのはCircleのUSDCだ。とりわけSolanaとBase上での利用拡大が目立った。USDCは2024年半ば以降、TetherのUSDTとは異なる動きを見せており、2025年夏の「GENIUS」法案成立後は、連邦規制の枠組み整備を追い風に、既存の金融システムを代替する需要が一段と強まったと分析している。

新たな需要要因としては、既存の銀行ネットワークの刷新に加え、Coinbaseの「x402」プロトコルを活用したAIエージェント決済を挙げた。ケンドリック氏は、こうした用途は既存の保有需要を奪うというより、新規需要の創出につながるとの見方を示した。

一方、新興国で主に貯蓄手段として使われるUSDTの回転率は、低位で安定推移した。このため、市場ではUSDTが価値保存、USDCが決済や既存金融の代替手段として機能する形で、両者の役割分担が進んでいるとの見方が出ている。

Standard Charteredはさらに、市場拡大に伴って米国債への追加需要が1兆ドル規模に達する可能性があると予測した。決済、資本市場、自動化取引の分野では、「速度」が市場成長を測る重要な指標になるとの見方も示している。

著名投資家のスタンリー・ドラッケンミラー氏も最近、今後15年以内にステーブルコインが世界の決済システムの基盤になり得ると指摘した。法定通貨に連動するトークンは、従来の送金インフラよりも効率的でコスト面でも優位だと評価している。

ステーブルコイン市場では、競争軸が単純な発行規模から、どれだけ速く、どれだけ頻繁に使われるかへ移りつつある。USDCとUSDTの役割分担が進む中、今後の主導権は規制環境、ネットワークの拡張性、そして実需に裏打ちされた決済需要をどこまで取り込めるかに左右されそうだ。

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