ビットコイン採掘大手のBitfarmsは、保有するビットコイン(BTC)を継続的に売却し、残高を最終的にゼロにする方針を示した。採掘事業は当面続ける一方、事業の軸足をAI・高性能コンピューティング(HPC)向けインフラへ移す。
2026年3月31日付のCoinDeskによると、同社はすでに保有BTCの一部売却を始めている。AIインフラを中核とする事業モデルへの転換に伴い、追加売却も続ける考えだ。
今回の売却方針は、単なる資産の現金化ではなく、ビットコイン採掘中心の事業からAI・HPCインフラ事業への転換の一環とみられる。Bitfarmsは2025年、ビットコイン売却に伴う実現利益として2820万ドルを計上した。売却数量は公表していないが、BitcoinTreasuries.netによると、現在の保有量は1827BTCとなっている。
ベン・ギャグノン最高経営責任者(CEO)は第4四半期決算のカンファレンスコールで、「時間の経過とともに当社はビットコインを保有しなくなる」と説明した。そのうえで、相場の強い局面では機動的に売却する考えを示しており、市場環境を見極めながら段階的に保有分を減らす方針とみられる。
もっとも、採掘事業を直ちに停止するわけではない。Bitfarmsは採掘設備を売却するまでの間、採掘を続けてフリーキャッシュフローの最大化を図る考えだ。ギャグノンCEOは、採掘を継続する理由について「採掘機を売る前にフリーキャッシュフローを最大化するためだ」と述べた。
同社は北米で2.2ギガワット(GW)規模の開発パイプラインを進めており、AI関連の売上は2027年からの立ち上がりを見込む。ビットコイン採掘業界では、電力インフラをAI・HPC向けワークロードに転用する動きが広がっており、Bitfarmsも同様に事業ポートフォリオの見直しを進める。
ブランド面でも転換を進める。Bitfarmsの株主は、本社所在地の米国移転と、社名を「Keel Infrastructure」に変更するリブランディングを承認した。手続きは2026年4月1日前後に完了する見通しで、株式は新ティッカー「KEEL」で取引される予定だ。