ビットコイン採掘企業F2Poolの創業者、チュン・ワン氏が、2015年に2900BTCで購入したタイ・パタヤのコンドミニアムを2026年に7BTCで売却したと明らかにした。米ドル換算では損失幅は比較的限定的に見えるものの、ビットコイン建てでは2893BTCの差が生じており、暗号資産市場における機会損失の事例として関心を集めている。
ブロックチェーンメディアのThe Crypto Basicが3月31日(現地時間)に報じた。ワン氏はX(旧Twitter)への投稿で取引内容を明かし、当時の経緯も振り返った。
ワン氏は2015年、ビットコイン価格が約224ドルだった時期にこのコンドミニアムを2900BTCで購入した。当時の価値は約65万ドルに相当するという。
一方、2026年の売却額は7BTCだった。ビットコイン価格を約6万7500ドルで換算すると、売却額は約47万ドルとなる。
このため、米ドルベースでは損失は相対的に小さいが、ビットコインベースでは2900BTCで取得した資産を7BTCで手放した計算になり、差は2893BTCに達する。
ワン氏によると、このコンドミニアムには約2年間実際に居住していた。その間、この物件を拠点にZcashの採掘プールを開発・立ち上げ、その後は事業拡大に合わせてバンコク、ソウルを経て欧州へ移ったという。
今回の取引は、暗号資産における機会損失の大きさを示す事例でもある。仮に不動産購入に充てた2893BTCをそのまま保有していれば、現在価値は1億9000万ドルを上回る可能性があった。
2015年当時は、マウントゴックス破綻後の回復局面にあり、ビットコインで不動産を購入する事例はまだ多くなかった。そうした時期に行われた今回の取引は、ビットコインが投資対象にとどまらず、実際の決済手段としても使われてきたことを示している。
同時に、ビットコインをどの資産に振り向けるかによって、長期的な資産価値が大きく変わり得ることも改めて浮き彫りになった。暗号資産の実体経済への浸透が進むなか、今回の事例は利用と保有の判断を考えるうえで示唆を与えそうだ。