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国際原油価格の上昇を受け、ビットコイン相場への影響に市場の関心が集まっている。WTI(米国産原油)は1バレル105ドル(約1万5750円)を上回り、約4年ぶりの高水準となった。Cointelegraphは3月31日(現地時間)、過去にWTIが105ドルを超えた局面で、ビットコインがその後大きく調整した事例が2014年に1件、2022年に2件あったと報じた。

過去の事例では、WTIが105ドルを上回った後、ビットコインが数週間以内に14〜27%下落したケースが確認されている。ただ、確認できる事例は3件にとどまり、原油高とビットコイン下落の間に明確な因果関係があると結論付けるのは難しい。

最初の事例は2014年6月だ。イスラム国(ISIS)がイラク北部に進軍し、モスルとティクリートを制圧した局面で、WTIは105ドル近辺で推移した。ビットコインは当初1週間ほど大きな値動きがなかったものの、その後10週間足らずで600ドルから468ドルへ下落し、下落率は約21%に達した。600ドル台を回復するまでには2年以上を要したという。

2件目は2022年3月。ロシアによるウクライナ侵攻の激化を背景に原油価格が105ドルを突破した。ビットコインは4万4370ドルから7日間で3万8100ドルまで下落し、14%安となった。ただ、下落分の大半は1カ月足らずで回復しており、原油が105ドル超で推移したことが追加の急落に直結したわけではなかった。

3件目は2022年5月で、下落率はこの3例の中で最も大きかった。欧州委員会がロシア産原油の輸入を段階的に禁止する案を正式に示した後、WTIは再び105ドルを上回った。ビットコインはその後7日間で27%急落したが、3万9700ドル台を回復するまでには19カ月に及ぶ弱気相場を経たとされる。

もっとも、「原油が105ドルを超えるとビットコインが急落する」と単純化する見方には慎重さが必要だ。ビットコインと原油の相関関係は依然として不確実で、12年間で3件の事例だけでは因果関係を立証できない。2014年にはMt.Goxの清算、2022年5月にはTerra-Lunaエコシステムの崩壊が、それぞれ弱気相場を深めた可能性があると指摘されている。任意に設定した原油価格の節目だけでビットコイン急落を説明するのは説得力を欠くとの見方だ。

原油価格が再び3桁に乗せた局面での焦点は2つある。1つは、原油高を背景にリスク資産全体のボラティリティが高まる中で、ビットコインが過去と同様の短期調整を見せるかどうか。もう1つは、仮に調整が起きた場合、その主因が原油価格そのものにあるのか、それとも取引所やプロジェクトを巡るリスクなど、暗号資産市場固有の悪材料と重なった結果なのかを見極めることだ。

WTIが再び100ドルを上回る局面に入り、ビットコイン投資家の間では過去と似た調整への警戒も広がっている。ただ、これまでに確認された事例だけで原油高とビットコイン安を直接結び付けるには根拠が乏しい。今後の相場は、原油価格の水準そのものよりも、マクロ環境の変化と暗号資産市場内部の要因がどう作用するかに左右される可能性が大きい。

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