Googleは30日、動画生成AI「Veo」をGoogle Adsの制作機能「Asset Studio」に統合すると発表した。広告主は画像3枚とテキスト入力だけで、約10秒のカスタム動画広告を自動生成できるようになる。主な対象はYouTube広告とDemand Gen広告だ。
同社は同日のイベント「Google Marketing Live」で、この新機能を公開した。生成AIを広告制作の工程に本格的に組み込む取り組みの一環となる。
これにより広告主は、専用の動画編集ツールを使わずに、テキストや画像をもとに動画素材をすばやく作成できる。Asset Studioは画像、テキスト、既存素材を組み合わせた生成に対応し、制作工程の簡素化につなげる。
Veoはまず、YouTube広告とDemand Gen広告に適用する予定。Demand Genは、YouTube、Discover、Gmailなどで画像や動画を用いてユーザーの関心を引き、需要喚起を狙う広告商品として位置付けられている。
検索キーワードを軸にした従来の検索連動型広告と比べ、Demand Genは視覚表現を前面に出した訴求が特徴だ。Googleは、画像や動画がコンバージョンに与える効果を高めたい考えとみられる。
今回の取り組みは、これまで撮影や編集の専門スキルが求められていた動画広告の制作を、生成AIによって標準化されたワークフローへ移す動きともいえる。動画広告への参入ハードルが高かった中小企業にとっても、活用の余地が広がる可能性がある。
Googleが広告の最適化や画像生成にとどまらず、動画生成機能を制作プロセスに直接組み込むのは初めてだという。Veoの導入により、画像から動画を生成する機能が広告システムに組み込まれ、動画広告の制作力を強化する。
生成AIは補助的なツールの段階を超え、広告制作の在り方そのものを変えつつある。企業は制作コストと時間を抑えながら、視覚的な訴求力の高い動画素材を迅速に確保しやすくなる。
一方で、こうした技術の普及が進むほど、ブランドの一貫性を保ちながら消費者の感情に響く企画を打ち出せるかどうかが、競争力を左右するとの見方もある。Veoは広告主の投資対効果の向上とともに、広告業界の構造変化にも影響を与える可能性がある。