ビットコインの位置付けを巡る議論が広がっている。画像=Reve AI

暗号資産市場で著名な論者として知られるラン・ノイナー氏が、ビットコインの位置付けに改めて疑問を呈した。ビットコインをどのような資産として説明すべきかが曖昧になっており、その不明確さ自体が市場リスクになっているとの認識を示している。

ブロックチェーンメディアのCointelegraphが3月30日に報じたところによると、ノイナー氏はインタビューで、「なぜ人々がビットコインを買うべきなのかという問いに、明確に答えるのは難しい」と語った。

同氏によれば、ビットコインは当初、P2P(個人間)通貨として登場し、その後は価値保存手段として「デジタルゴールド」と位置付けられてきた。ただ、足元ではそのどちらの枠組みでも十分に説明しにくくなっているという。直近の相場局面で、ビットコインが金のような伝統的な安全資産と同じ値動きを示さなかったことを踏まえ、「デジタルゴールド」という見方は現実とのずれが大きくなっていると指摘した。

ノイナー氏は、こうした問題は単なる概念論にとどまらないとみる。投資家の多くはなお相場の方向を当てようとする姿勢に傾いているが、現状ではそれ自体がリスクになり得ると警鐘を鳴らした。そのうえで、データに基づいて仮説を立て、ポートフォリオを守る運用戦略が重要だと強調した。

インタビューではマクロ要因にも言及した。足元の相場を左右する材料として、地政学リスク、とりわけイランを巡る戦争に加え、原油価格やインフレの動向を挙げた。

また、「刺激的なニュースの見出しよりも重要なのは資金の流れだ」と述べ、市場の方向性を見極めるうえでは短期的なニュースへの反応より、流動性の動向を追うべきだとの考えを示した。

一方で、暗号資産市場の次の成長ドライバーとしてAIを挙げた。AIエージェントが自律的に取引を実行し、決済まで処理する段階に入れば、暗号資産のインフラが新たなデジタル経済の基盤になり得ると見通した。

その場合、暗号資産は単なる投資対象にとどまらず、自動化されたデジタル経済を支える中核インフラとして位置付け直される可能性があるという。

もっとも、ノイナー氏はビットコインの価値について明確な結論を示したわけではない。むしろ、「いま自分が直面している最大の問題は、ビットコインが何で、どこから価値を得ているのかを自分自身で正当化することだ」と述べ、不明確さそのものを最大のリスクとして挙げた。

今回の発言は、ビットコインが「デジタルゴールド」として定着したという従来の見方に再考を迫る内容だ。同時に、価格予測中心の見方から、データ、流動性、リスク管理を重視する運用へと視点を移す必要性を示したものといえる。今後は、AIと結び付いた新たな需要の物語が実際の市場でどこまで具体化するかも焦点になりそうだ。

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