vRANの進化とAI-RAN実装に向けた白書を共同で公表したSKTとNTTドコモ。画像=SKT

SKTは3月31日、NTTドコモと共同で、仮想化基地局(vRAN)の高度化とAIベースの無線アクセスネットワーク(AI-RAN)の実装に向けた技術要件と発展の方向性をまとめた白書を公表した。

白書は、両社がこれまで蓄積してきたモバイルネットワークの構築・運用経験をもとに作成したもの。移動通信事業者の視点から、vRANとAI-RANの高度化の可能性、関連技術の要件、中核実装技術、導入効果を分析した。

両社は白書の中で、vRANとAI-RANの効果を最大化するうえで重要となる3つの中核技術要件を示した。

第1に挙げたのは、ハードウェアとソフトウェアの明確な分離だ。新機能の導入を迅速に進めるため、基地局制御ソフトウェアを特定のハードウェアや仮想化プラットフォームから切り離し、インフラに依存せず配備できる構成が必要だとした。

第2の要件は、柔軟なインフラ構築とリソース利用効率の向上に向けたリソースプーリング技術だ。両社は、この技術によってサービス品質を維持しながら基地局容量を拡張できるほか、電力効率の改善や柔軟なネットワーク運用にもつながり、移動通信事業者の競争力強化に寄与すると説明した。

第3には、vRANシステムを活用したAIコンピューティング機能の実装を重要テーマとして位置付けた。xPU(x Processing Unit)ベースのvRANアーキテクチャでは、AIと通信のリソースを統合管理するオーケストレーション技術によって、通信サービスの品質を保ちながらAIコンピューティング機能を提供できるという。これにより、vRANを通信とAIサービスを同時に提供する統合AIプラットフォーム、すなわちAI-RANへ発展させられるとした。

SKTは今月初めに開催されたMWC 2026で、リソースプーリング技術と、xPUベースのvRANにおけるオーケストレーション技術に関する実証成果を公開した。

SKTとNTTドコモは2022年11月、5Gの高度化と6Gを見据えた次世代通信インフラ技術の研究協力契約を締結した。2023年2月には、モバイルネットワークの省電力化技術と6G要件に関する白書を共同で公表。2024年2月には、ネットワーク設計要件に適合するL1アクセラレーターの選定など、vRANの構築・運用時の主要な検討事項をまとめた白書を発表している。

SKTのリュ・タクギ ネットワーク技術担当は「今回の白書では、移動通信事業者の視点から、vRAN導入効果の最大化と自律ネットワークへの進化に必要な中核要素を提示した」とコメントした。そのうえで、「NTTドコモとの協力で得られた今回の成果が、グローバルな次世代モバイルネットワークの発展とエコシステム拡大につながることを期待している」と述べた。

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