AppleがAI戦略を大きく転換した。Bloombergは29日(現地時間)、同社が自社の基盤モデル開発よりも、外部企業のAIサービスを流通させるプラットフォーム運営に軸足を移したと報じた。
Bloombergによると、背景にはコスト負担の問題がある。OpenAIやGoogle、Anthropicと基盤モデルで競争するには、持続可能とは言い難い規模の資本投下が必要になるとAppleが判断した可能性があるという。その一方で、マーケットプレイスの運営であれば、同社が持つソフトウェア開発力やコンテンツ審査のノウハウで対応できるとみている。
Appleが目指すのは、App Storeと同じ発想のビジネスモデルだ。流通チャネルを整備し、品質基準を設け、プラットフォーム手数料を徴収する。Appleは2008年にApp Storeを立ち上げ、モバイルソフトウェア流通の構図を塗り替えた。以来、1兆1000億ドル規模のアプリ経済を形成し、15〜30%の手数料を得てきた。
この戦略転換で恩恵を受けるのは、OpenAIやAnthropicなどのAI企業だ。Appleのデバイスは世界で20億台超にのぼり、これらの企業は独自の販路を整えなくても幅広いユーザーにアクセスしやすくなる。Bloombergは、中小のAI企業にとってもAppleのプラットフォームが顧客獲得の有力な経路になる可能性が高いと伝えた。
一方で、Googleには逆風となる可能性がある。AppleがAIのマーケットプレイスから得る手数料収入を拡大し、サービス売上の多角化を進めるほど、Safariのデフォルト検索エンジン設定を巡るAppleとの交渉でGoogleが不利になる恐れがあるとBloombergは報じている。