韓国の放送通信委員会と韓国知能情報社会振興院は30日、「2025年度サイバー暴力実態調査結果」を公表した。サイバー暴力の経験率は青少年が42.3%、成人が15.8%だった。生成AIを悪用したサイバー暴力については、青少年の89.4%、成人の87.6%が深刻だと認識していることも分かった。
調査は2025年9~11月に実施した。対象は小学4年生から高校3年生までの青少年9296人と、19~69歳の成人7521人の計1万6817人だった。
サイバー暴力の経験率は、青少年が前年より0.5ポイント低下した一方、成人は2.3ポイント上昇した。性別では青少年、成人ともに男性で高く、年齢層別では青少年は中学生、成人は20代で多かった。
サイバー暴力が行われた主な手段は、青少年、成人ともに「テキストメッセージ・インスタントメッセージ」が最も多かった。割合は青少年が加害43.8%、被害41.4%、成人が加害51.4%、被害58.0%。このほか青少年ではオンラインゲームが高く、加害35.7%、被害35.3%だった。成人ではSNSが目立ち、加害31.2%、被害33.5%となった。
類型別では、青少年、成人ともに「言葉によるサイバー暴力」の加害・被害割合が最も高かった。特に成人では、加害が3.4%から6.0%、被害が6.3%から9.1%へと、いずれも前年から増加した。
被害者が相手として最も多く挙げたのは、青少年、成人ともに「まったく知らない相手」だった。割合は青少年51.9%、成人45.5%。「オンラインで知り合った人」による被害も、青少年8.6%、成人12.1%と、ともに前年より増えた。
加害動機は、青少年、成人ともに「相手の行動への報復」が最多だった。割合は青少年36.5%、成人40.6%。加害後の心理状態では、成人の57.6%が「自分の行為は正当だった」と答え、前年より18.9ポイント急増した。一方、青少年では60.8%が「申し訳ない・後悔している」と回答した。
デジタル空間でのヘイト表現の経験率は、青少年19.3%、成人21.0%で、いずれも前年を上回った。青少年では身体や外見に関する表現が10.0%で最も多く、成人では政治的志向に関する表現が14.9%で最多だった。
生成AIを悪用したサイバー暴力について深刻だと答えた割合は、青少年89.4%、成人87.6%に達した。深刻だと考える理由としては、青少年は「容易に作成できるため被害が広がりやすい」を48.7%で最も多く挙げた。成人では「被害が反復・継続するおそれがある」が28.3%で最多だった。
放送通信委員会は今回の調査結果を踏まえ、民間企業や公共機関と連携し、成人向けのデジタル倫理教育を拡大する。青少年向けには、ディープフェイクや生成AIに関する倫理教育に加え、体験型の討論教育も強化する方針だ。
キム・ジョンチョル放送通信委員長は「サイバー暴力は単なるオンライン上の倫理問題にとどまらず、人間の尊厳を損ない、憲法で保障された国民の幸福追求権を侵害する問題だ」と述べた。その上で「健全なデジタル利用文化を広げ、AIを悪用した新たなサイバー暴力の被害防止にも努める」とした。