コンビニ店頭に並ぶRTDたんぱく質飲料

韓国の乳業各社が、たんぱく質RTD飲料の高含有化を競っている。市場拡大が続くなか、各社は含有量の引き上げに加え、アミノ酸エナジージェルなど周辺カテゴリーにも展開を広げ、差別化を急いでいる。

業界関係者によると、南陽乳業は24日、たんぱく質含有量を45gに引き上げた「テイクフィット・モンスター」のリニューアル品を発売した。市販のたんぱく質飲料としては最高水準の含有量だという。

ビングレも、「ザ・ダンベク」で最大40gのたんぱく質を配合した高含有製品を投入した。ほかの企業でも、含有量を増やした新製品の投入を検討する動きが出ている。

◆粉末中心で始まった市場、乳業が育成し食品業界に拡大

韓国のたんぱく質市場は、粉ミルクやバランス栄養食などの粉末製品を起点に形成された。少子化で粉ミルク市場が縮小するなか、乳業メーカーが成人向け栄養食品へ事業領域を広げたことが、市場拡大の背景にある。

イルドンフーディスやメイル乳業は、自社の粉ミルク関連技術を基盤に、たんぱく質含有量を高めた粉末型の成人向け栄養食品を投入した。これが市場形成の初期段階を支えたとされる。

足元のたんぱく質飲料市場では、イルドンフーディスとメイル乳業が上位を占めている。その後、Lotte Chilsung Beverage、ビングレ、南陽乳業、Orionに加え、コンビニのプライベートブランド(PB)も参入し、市場は食品・飲料分野全体へ広がった。

市場規模も拡大が続く。食品産業統計情報(aTFIS)によると、韓国のたんぱく質市場は2018年の890億ウォンから2021年には3364億ウォンに拡大し、2023年には4000億ウォンを突破した。2025年は4500億〜5000億ウォン規模に達したと推定される。

業界では、2026年には8000億ウォン台まで拡大する可能性があるとみている。たんぱく質補助食品市場全体に占める飲料製品の比率は約60%という。

市場拡大の背景には、新型コロナウイルス流行期の外出制限で、筋肉量低下への備えや健康管理への関心が高まったこともある。当初は中高年の栄養補助需要が市場をけん引したが、その後は消費層が全年齢へ広がった。

イルドンフーディスは2020年に「ハイミューン」を発売し、初年度に売上高350億ウォンを記録した。2025年下半期には累計売上高6000億ウォンを達成し、同年のブランド売上高は1500億ウォン規模に達したという。メイル乳業の「セレックス」も、2025年の売上高が前年比5%増となった。

◆コンビニが成長を後押し、次の焦点はアミノ酸エナジージェル

たんぱく質飲料は、RTD製品の普及をきっかけに大衆化が進んだ。水に溶かして飲む粉末中心の市場から、そのまま飲める液体飲料へ需要が移り、購入や摂取の手軽さが広く受け入れられたためだ。

運動補助食品のイメージから脱し、味、健康志向、食事代替、低糖・ゼロトレンドを取り込んだ日常飲料として定着するにつれ、消費層も拡大した。販売チャネルも、従来の中高年向けテレビ通販中心から、足元ではコンビニやオンラインへ軸足を移している。

なかでもコンビニは、たんぱく質RTD飲料の成長を支える主力チャネルに浮上した。GS25によると、たんぱく質RTD飲料の年間成長率は2022年が345.7%、2023年が316.5%と急伸し、その後も2024年は36.6%、2025年は20.0%と成長を維持した。20〜30代の売上構成比は60%を超えたという。

たんぱく質RTD飲料が単なる補助食品ではなく日常的な選択肢として定着するなか、RTDコーヒーや加工乳の一部需要を吸収する動きも出ている。

一方、市場の急拡大に伴って、味だけでは差別化が難しいとの見方も強まっている。このため業界では、競争力強化に向けた新たな方向性として、アミノ酸ベースのエナジージェルに注目が集まっている。

たんぱく質RTD飲料で競争が激しくなるなか、差別化と新規需要の獲得を狙い、関連市場へ領域を広げる流れが進む。食品企業に加え、製薬会社も関連製品を投入しており、競争の裾野はさらに広がっている。

代表例としては、イルドンフーディスの「ハイミューン・アミノ・ポテン」がある。ランニング人口の増加や生活スポーツの広がりを背景に、関連需要も拡大している。

南陽乳業は今月初め、「テイクフィット・ブースター・アミノ2600」などエナジージェル関連の商標を出願した。同社はアミノ酸エナジージェル製品の発売計画はないとしているが、たんぱく質飲料市場の広がりを見据えた先手の対応との見方もある。

業界では、たんぱく質含有量を競う流れは今後も続く一方、高含有戦略だけでは差別化に限界があるとみている。今後はアミノ酸や機能性製品を軸にした競争が一段と激しくなりそうだ。

業界関係者は「たんぱく質飲料市場は急成長しており、競争も激しくなっている。含有量を増やす流れは続くが、それだけでは限界がある」としたうえで、「各社は製品ラインの多様化や味の改良を進めており、競争は今後さらに激しくなるだろう」と話した。

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