AnthropicのAIサービス「Claude」が、米国の消費者向け市場で有料会員を急速に伸ばしている。匿名のカード決済データでは年初来で過去最高水準に達しており、同社も有料会員が2倍超に増えたことを認めた。Super Bowlの広告や、米国防総省を巡る対立に関する報道が認知拡大を後押しした可能性がある。
TechCrunchが28日(米国時間)に報じたところによると、消費者取引分析を手掛けるIndagariが米国の消費者約2800万人の匿名クレジットカード取引データを分析した結果、Claudeの有料会員数は今年に入り過去最高水準を記録した。Anthropicの広報担当者もTechCrunchに対し、今年の有料会員が2倍以上に増えたと説明した。
増加は1月から2月にかけて特に目立った。Indagariによると、2月は既存ユーザーの再契約も過去最高だった。3月初旬のデータでも増勢は続いている。
新規会員の大半は、月額20ドルの基本有料プラン「Pro」の契約者だ。
こうした会員増は、複数の要因が重なった結果とみられる。
AnthropicはSuper Bowlの広告で、ChatGPTが広告導入を決めたことを皮肉りつつ、Claudeには広告を表示しない方針を打ち出した。この広告は消費者の関心を集め、OpenAIのCEOであるサム・アルトマンの反応も呼んだとされる。
国防総省を巡る対立も、注目度を押し上げた可能性がある。
Anthropicは、自律的な殺傷作戦や米国市民に対する大規模監視への自社AIの利用を認めなかった。これに対し国防総省は、Anthropicをサプライチェーン上のリスク企業に指定しようと圧力をかけた。双方は係争中で、連邦裁判所は今週、国防総省による指定を暫定的に差し止めた。
TechCrunchによると、Claudeの会員増が最も大きかったのは、1月末に国防総省とAnthropicの対立を巡る報道が相次いだ後から、アモデイCEOの声明が出た2月26日までの期間だった。
製品面では、1月に投入した生産性ツール「Claude Cowork」と開発者向けツール「Claude Code」が拡大をけん引した。Anthropicは、今週公開した「Computer Use」機能も会員増を後押ししたと明らかにした。Computer Useは、ClaudeがクリックやスクロールなどのPC操作を自ら実行する機能で、有料会員だけが利用できる。
なお、Indagariのデータは法人契約と無料ユーザーを含んでいない。Claudeの消費者向け利用者数は1800万人から3000万人まで推計に幅があり、Anthropicは公式な利用者数を公表していない。