戦場でドローンの存在感が急速に高まるなか、動力源として水素燃料電池に注目が集まっている。ロシア・ウクライナ戦争や米国によるイラン攻撃などを背景に、無人機が主要戦力として位置付けられ、環境負荷が比較的小さい電源として水素燃料電池の活用が広がりつつある。
米電気自動車メディアのCleanTechnicaは27日(現地時間)、戦争のあり方がドローン中心へと変わるなか、水素燃料電池が軍用ロボットや無人航空機(UAV)の有力な動力源として台頭していると報じた。
ウクライナでは、すでにドローンの投入が広範に進んでいる。歩兵任務の一部を代替する段階に入りつつあるとされ、ウクライナ第3軍団司令官のアンドレイ・ビレツキー氏は「2026年までに30%、その後は80%までドローンに置き換える」との見通しを示した。
米国でも、水素燃料電池を軍用ドローンに適用する取り組みが進む。ミシガン州のスタートアップSesame Solarは、太陽光発電と水素を組み合わせた「モバイル・ナノグリッド」を開発した。1人で15分以内に組み立てられるとしており、ドローンの組み立てと展開は5分以内、水素タンクから即座に燃料を供給できるという。
カナダ企業も開発に乗り出した。First HydrogenとExodus Actuation Solutionsは、太陽光、バッテリー、水素燃料電池を組み合わせた無人地上車両の開発計画を発表した。用途は軍事分野にとどまらず、物流、警備、災害対応など民間分野への展開も見込む。
First Hydrogenは、SMR(小型モジュール炉)を活用した水素生産も推進している。ただ、コストと安全性の課題が解消しなければ、実用化にはなお時間を要する見通しだ。
一方、米国内のグリーン水素産業は、トランプ政権の政策変更を受けて逆風に直面している。その半面、農業分野では風力や太陽光を活用したグリーンアンモニア生産が加速している。